試聴ディスク考(その1)
オーディオ機器は音を出す機器であるから、
物理特性が優れているからといって、オーディオ機器として音楽を鳴らすための機器として優秀とは限らない。
聴かなければわからないのがオーディオであるし、
聴くことによってよけいにわからなくなるのもオーディオである。
であるにしても、とにかく聴かなければ何も始まらない。
聴くためには必要なのはオーディオ機器だけではない。
プログラムソースが必ず必要となる。
判断のために音を聴くことを試聴という。
その試聴のためにかけるディスク(LPなりCDのこと)を試聴ディスク(試聴LP、試聴CD)という。
いまではほとんどのオーディオ雑誌で試聴を行った場合、
記事にはどの人が、どの試聴ディスクを使ったのかが表示されている。
そこからいろんなことを読みとろうとすれば、できる。
試聴ディスクのリストも、試聴記とともに重要なことである。
でも、この試聴ディスクのリストも、昔はほとんど掲載されることはなかった。
試聴に使った機材についてのリストはあっても、試聴ディスクに関してはなかった。
ステレオサウンドのバックナンバーをみても、最初のころは試聴ディスクについての記述はなかった。