「音楽性」とは(映画性というだろうか・その2)
小学校低学年だったころだから、昭和40年代前半から半ばにかけてのことだが、
当時は子供向けに東映まんが祭り的な映画をやっていた。
子供に人気のテレビ番組を映画化したものなどを数本上映するスタイルだったと記憶している。
一時期、飛び出す映画ということで、
片方に赤の、もう片方に青のセロハンをはりつけた紙製のメガネをかけて観る、
そんな安易な3D映画をいくつか体験している。
少しも飛び出しては見えなかった。
そんな3Dと、いま最新の映画館で上映される3Dとは時間にして30年ほどの違いがあり、
技術的にも大きな違いがあることはわかっていても、
安易な3Dを体験してきた者は、映画は2Dでいいじゃないか、と思いもする。
それに3Dといっても、いわゆるホログラフィによる3Dではないわけだから、
そこに映し出される映像そのものが3D(立体)であるわけがない。
ほんとうに3Dならばスクリーンを中央から見たときと、
どちらか端っこに行って見た時とでは見えるものが違ってこなければならない。
いまスクリーンに映し出されているシーンを横からみれば、そこの壁に隠れているところも見えるのに……、
と思って頭を動かしたところで、もちろん見えないわけだ。
そんなことを理由に、3D上映の映画はこれまで避けていた。