JBL 4345(その4)
ステレオサウンドは季刊誌だから、次の号が出るまで三ヵ月ある。
56号で4345が近い将来登場するのを知ってからは、その三ヵ月間が待ち遠しく感じられた。
57号には間に合わなかったので、また三ヵ月間、その待ち遠しい時間を送った。
この待ち遠しい時間は、いまではなかなか味わえなくなりつつある。
少なくとも私は、ステレオサウンドの次の号が出るのを待ち遠しい、とは、もう感じなくなっている。
いまはそんな私でも、あのころはほんとうにステレオサウンドの新しい号の発売は待ち遠しかった。
おまけに、そのころのステレオサウンドは発売日の15日に書店に並ぶことはまったくなかった。
必ず遅れていた。
だから15日が過ぎたら、毎日書店に通っていた。
今日も出ていない、次の日もまた出ていない。
そんな空振りを何度も味わって、やっと三ヵ月待った新しい号のステレオサウンドを手にする。
そこに読みたかった記事が、読みたかった人によって、
しかも充分な量の文章が、そこに載っている。
待たされたけど、何度も書店に足を運ばされたけど、そんな憾みはどうでもよくなる。
ステレオサウンド 58号で、4345について、瀬川先生の文章で読めた。
しかも58号を読まれた方ならば、思い出されるはず。
ここでの4345についての瀬川先生の文章は、
4345のページだけでなく、SMEの3012-R Specialのところでも読めたのだから。