Date: 6月 13th, 2010
Cate: Mark Levinson, the Reviewの入力, 瀬川冬樹
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the Review (in the past) を入力していて……(その44)

ステレオサウンド 46号に、
瀬川先生によるHQDシステムの記事「マーク・レビンソンHQDシステムを聴いて」が載っている。

試聴の場所は、ホテルの宴会場で、マーク・レヴィンソンによると、HQDシステムにとってやや広すぎて、
デッド過ぎる音響特性だったらしい。

最初に鳴ったのは、レヴィンソン自身の録音によるギターのソロ。
瀬川先生の次のように書かれている。
「ギターの音色は、スピーカーがそれを鳴らしているといった不自然さがなくて、全く誇張がなく、物足りないほどさりげなく鳴ってくる。左右のスピーカーの配置(ひろげかたや角度)とそれに対する試聴位置はマークによって細心に調整されていたが、しかしギターの音源が、椅子にかけた耳の高さよりももう少し高いところに呈示される。」

つぎに鳴ったコンボジャズの印象は
「かなり物足りなさを憶えた。音質の点では、24インチ・ウーファーの低音を、予想したようなパワフルな感じでは彼は鳴らさずに、あくまでも、存在を気づかせないような控え目なレベルにコントロールして聴かせる。」

このコンボジャズもレヴィンソンによる録音で、一般市販のアナログディスクは、
セル指揮の「コリオラン」序曲をかけたとある。
「ハーモニィはきわめて良好だし、弦の各セクションの動きも自然さを失わずに明瞭に鳴らし分ける。非常に繊細で、粗さが少しもなく、むしろひっそりとおさえて、慎重に、注意深く鳴ってくる感じで、それはいかにもマーク・レビンソンの人柄のように、決してハメを外すことのない誠実な鳴り方に思えた。プログラムソースからスピーカーまでを彼自身がすべてコントロールして鳴らした音なのだから、試聴室の条件が悪かったといっても、これがマークの意図する再生音なのだと考えてよいだろう。」

4343をオール・レビンソンで鳴らした音の印象とはずいぶん異るように感じられる。

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