LNP2の音について思ったこと(その1)
そういう意図で書いたつもりではないのに……、ということはままある。
そういうとき、私の書き方が拙かったかな、とは一応思うようにしている。
どう書けば、きちんと伝わるようになるのか、そのことを考えないわけではない。
でも、どんなに考え尽くしても、そうして書いた文章を読んだ全ての人に伝わるかといえば、
まずそんなことはない、といえる。
それはお前の文章が拙いだけだろう、といわれるかもしれないが、
これまで五味先生、瀬川先生の文章を読んできたという人と話してみると、
えっ、そこの文章をそういうふうに受けとめるの? と思うことは少なからずあった。
私が間違って(歪んで)受けとめている可能性もある。
どちらがどうということよりも、五味先生、瀬川先生の文章ですらそうなのだから、ということに少々驚く。
先頃もそんなことを考えさせられることがあった。
マークレビンソンのLNP2を最近聴く機会のあった人が、こんなことをいっていた。
「巷で云われているような、麻薬的、魅惑的な音ではないんですね」
LNP2は、麻薬的でも魅惑的ともいえる音色をもっているアンプではない。
瀬川先生もそういうことは書かれていない。
けれど、「巷で云われているような、麻薬的、魅惑的な音ではないんですね」といった人は、
どうも瀬川先生の書かれたものから、そういうふうに読みとっているように、私には感じられた。
これははっきりと確認したわけではないから、私が話していてそう感じただけのことで、
決してそんなことはない、そういうアンプではない、と言おうかとも思ったけれど、
ここで書くことにした。