4343における52μFの存在(その32)
4343のネットワーク3143と、4343の前身4341のネットワーク3141は、
バイアンプと通常ドライブの切換えスイッチの有無だけの違いで、
回路構成、定数の違いことは、前に書いているとおりだ。
ここで注目したいのは、4343と4341のネットワークについてではなく、
4341と、そのバイアンプ専用モデルの4340のネットワークの違いについて、である。
4340のネットワーク3140には、52μFのコンデンサーはない。
52μFのコンデンサーは、ミッドバス(2121)用の低域カットのためのものだから、
エレクトロニッククロスオーバーネットワークによって、
ウーファー用と、それ以上の帯域用にと分割しているわけだから当然といえば、当然なのだが、
3140は、52μF同様、省略できる部品をじつは省略していない。
ミッドバスのレベルコントロール用のアッテネーターである。
レベルコントロールは、エレクトロニッククロスオーバーネットワーク側で行うわけだから、
ミッドバス用のレベルコントロールは必要ない。
52μFは省略して、レベルコントロールは残したまま。
4340と同じ、4ウェイ構成でバイアンプ駆動仕様の4350には、ミッドバスのレベルコントロールはない。
4340/4341、4350、それに4343は、すべて開発・設計には同じパット・エヴァリッジ。
4350には、前に書いているとおり、レベルコントロールはトゥイーター2405用がひとつだけついてる。
4350と4340/4341の開発時期は、わりと近い。
このへんのことを考え合わせていくと、52μFの挿入位置についての答えが見えてくる。