Mark Levinson LNP-2(続々続々・バッファーアンプについて)
バッファーアンプの追加によってLNP2の音はどう変化するのかを正確に知るには、
同一ロットのLNP2を二台用意して、片方にバッファーアンプを追加して聴くという方法しかない。
それもできれば新品のLNP2でやりたい。
LNP2は1973年に登場し1983年に製造中止になっている。
最初のころのLNP2はもう40年前のアンプということになり、
最後のロットのモノでも30年前のアンプである。
これだけの年月が経っているLNP2(に限らない、どんなアンプでもそうだが)だと、
どんな人がどういう使い方をしてきたかによって、そのくたびれ方は違ってくる。
シリアルナンバーの近いLNP2を二台用意したところで、
比較試聴してみれば、意外にその差が大きいこともあり得ることに気づかされる。
ようするにいまとなっては、自分の耳で正確にバッファーアンプ追加のメリットを試聴することは、
無理な話である。
けれど、とにかくステレオサウンドにあったシリアルナンバー1614のLNP2は何度も聴いている。
その音のイメージはしっかりと掴んでいる。
他のコントロールアンプとも比較したこともある。
そういう経験を元に判断するに、バッファーアンプを追加することで、
LNP2の中低域あたりの量感がうまいこと増すように、私は感じている。
他にもバッファーアンプを追加したことによるメリットではないかと感じている点もあるけれど、
それはもしかすると気のせいといえるレベルかもしれないが、
この中低域あたりの量感に関しては、かなりはっきりといえる。
バッファーアンプなしのLNP2は中低域あたりの量感が抑えられ気味に、
バッファーアンプを追加したLNP2を聴いた私の耳に、そう聴こえる。