趣味のオーディオとしてのカタチ(その6)
1970年代後半のJBLのスタジオモニターは、ひとつのピークを迎えていた。
ラインナップも豊富だった。
ラインナップが豊富なだけのメーカーはほかのメーカーでもあるけれど、
この時代のJBLのスタジオモニター(4300シリーズ)は、
もっともローコストの4301にしても、トップモデルの4343、4350にいたるまで充実していた。
2ウェイの4331があり、3ウェイの4333、それにブックシェルフ型の4311が揃っていた。
なかでも4343は、もっとも洗練されたモデルだった。
それは音だけでなく、デザインにおいても、
4343はJBLというスピーカーメーカーの体質のもっともよいところを凝縮したような、そういう存在だった。
いまもJBLには4300シリーズはある。
これらのスピーカーシステムの音が評判がいいのは知っている。
いいんだろうな、とは思っている。
それでも、デザインに関しては、ほとんど魅力を感じない。
そういえば数年前、知人のところで4348を聴いたことがある。
4348は15インチ・ウーファー、10インチ・ミッドバス、ホーン型のミッドハイとトゥイーター。
つまり4341から始まった4ウェイの最終形態でもある。
4つのユニットをすべてインライン配置している4348は、4343の後継機といえる。
4343のあとに4344が登場しているけれど、
4344は4345の弟分であり、4343のエッセンスを継承しているといえるのは、4348のほうである。
4348の知人は、しばらくして4343の中古を手に入れた。
知人のリスニングルームで、短期間のうちに4348と4343がおさまっているのを見たわけだ。
4343はやはり洗練されたスピーカーだ、と強く実感できた。