毅然として……(その6)
こんなことを考えながら書いていると、ルートヴィヒ二世のことが頭に浮ぶ。
ワーグナーを宮廷に招き、
ワーグナーのためにバイロイトに、ワーグナーの作品の上演のためだけの劇場、
バイロイト祝祭劇場の建築を全面的に援助する。
バイロイト祝祭劇場で最初に上演されたのは「ニーベルングの指環」。
バイエルン国王だからできたことであるけれど、
ルートヴィヒ二世たったひとりのためだけの上演をワーグナーが行ったという話はきいたことがない。
ルートヴィヒ二世は、たったひとりでワーグナーを聴きたかったのだろうか。
ワーグナーはどうおもっていたのだろうか。