Mark Levinson LNP-2(その3)
今回モジュールの比較試聴のために使ったLNP2はシリアルナンバーが1960番台である。
このLNP2のモジュールを差し替えての試聴だったことが、
ステレオサウンドでの、シリアルナンバー1010と1614との比較試聴との違いである。
LNP2は熱心なマニアは、シリアルナンバーをチェックする。
どの時期のLNP2を最上とするのかは、その人によって違ってくる。
事実、内部をいくつか比較しすれば、部品の変更や配線の仕方の違い、
プリント基板の使い方など、細部にいくつもの発見がある。
おそらくモジュールそのものも同じLD2であっても、
初期、中期、後期では音は違っていると考えてもいい。
シリアルナンバー1010と1614の比較ではモジュールの違い以外にも、こういった細かな違いがあった。
レベルコントロールのポテンショメーターにしても、
1010などの初期型はウォーターズ製の100kΩなのに対し、
1614などの中期型はスペクトロール製の35kΩ、最終型はスペクトロールの10kΩという違いがある。
つまり純粋にモジュールの違い(バウエン製とマークレビンソン製)の違いだけを聴いていたわけではない。
モジュールが取り付けられるベースとなるLNP2に少なからぬ違いがあり、
外付けの電源も大きく違っている。
それらを含めて、二台のLNP2を聴きくらべた時、
私はLD2搭載の、シリアルナンバー1614のLNP2の方がいいと感じていた。