同軸型はトーラスなのか(その12)
初段が差動回路ではない、たとえば一般的な真空管アンプでは、
NFBは終段のプレートもしくはカソードから、非反転アンプであれば、初段のカソードにかえってくる。
つまり初段の、入力信号をうける真空管とNFB信号をうける真空管は同じである。
それが差動回路では、対となるトランジスターや真空管で、別個に受けるわけだ。
このことが、NFBをかける前は同一回路であっても非反転アンプと反転アンプとで、
歪率に差が生ずる原因である、とラジオ技術の記事では結論としていた。
NFBループを含めたアンプ全体の回路をトーラスとして捉えるのならば、
非反転アンプで、初段が差動回路ならば、なんらかの工夫が必要となるだろう。
初段が差動回路でなければ、非反転アンプもトーラスとして見えてくる。
反転アンプもトーラスだが、こちらは出力と入力の位相が180度異る。
つまりトーラス的にみれば、非反転アンプが通常の環(わ)だとすれば、
NFBのかかっている反転アンプは、メビウスの環といえるのではないだろうか。
ひねりのところはNFBループではなく、むしろ増幅部にあたる。位相が反転しているところだからだ。
メビウスの環的な反転アンプ。こういう考え方もあっていいのではないだろうか。