Date: 11月 21st, 2013
Cate: 岩崎千明, 瀬川冬樹
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岩崎千明氏と瀬川冬樹氏のこと(その12)

ジョーダン・ワッツのA12を中域用として、
マルチウェイの実験をいろいろくり返されていた瀬川先生は、
A12(つまりModule Unit)に2kHz以上を受け持たせると
「音の荒さやにぎやかさなどの弱点が目立ってくる」ことに気づかれ、
1kHzあたりから上を受け持つことのできるスピーカーユニットの必要性を感じられていた。

スピーカーユニットの型式はとわずに、
「一切の偏見と先入観を捨てて」指向特性の優れたものということで、
アルテックのドライバー802Dと811Bホーンの組合せ、
ボザークのB200YA(コーン型トゥイーター8本によるアレイ)、
JBLのLE175DLHを候補として、
とにかく六畳という狭い空間でのステレオ再生には、
スピーカーの指向特性がいかに重要であるかを痛感されていた瀬川先生は、
LE175DLHの音響レンズに興味を持ち購入された。

けれど「私のスピーカー遍歴」には書かれている。
     *
LE175DLHていどなら、わたくしにもどうやら手の届くところにある。しかし不遜にも、175を入手し音を出すまでは殆んどそれに期待していなかった。
     *
つまり音を聴かずにLE175DLHを買われたことがわかる。
それもあまり期待されていなかったことも、わかる。
そして、LE175DLHが瀬川先生にとって、最初のJBLとなる。

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