LINN EXAKTの登場の意味するところ(その1)
今年登場したすべてのオーディオ機器を聴いているわけではない。
今回のオーディオショウで見て聴いたモノ、
ステレオサウンドを始めとするオーディオ雑誌での情報、
それらを総合して、私にとっての今年登場したオーディオ機器のなかで、もっとも注目すべきは、
LINNのEXAKTである。
音だけに関していえば、私にとっての今年最大の注目すへきオーディオ機器はVOXATIVであるが、
オーディオについて、オーディオのこれからについて、あれこれ考えさせられる、
その意味でEXAKTということになる。
二日前に別項「オーディオ・システムのデザインの中心(LINN EXAKT)」でも、
EXAKTのことについて書いた。
オーディオ・システムのデザインの中心に関してもそうだが、
それ以上に私がEXAKTに強い関心を抱くのは、
オーディオが音楽を聴くための道具として考えるのであれば、
オーディオの道具考として、EXAKTの機能は、
人間(聴き手)と道具(オーディオ機器)との関係性について再考を求めてくるところがある。
しかもこの再考は、考えれば考えるほど楽しくなっていく感じがしている。
EXAKTのシステム全体としての価格は、なかなか高価だ。
EXAKTの音に興味を持った人でも、おいそれと手が出せる人はあまりいないかもしれない。
そんな高額なシステムだから、最初から関心がない、なんてことはいわずに、
音よりもEXAKTというシステムの意味を考えていくことは、
つまりはEXAKTということにとどまらず、
こういう機能をそなえるオーディオ機器(というよりもオーディオシステム)が登場してきたことを、
どう受けとめ、どう考えていくか、では、今年のオーディオ機器のなかではダントツである。