the Review (in the past) を入力していて……(その42)
HQDシステムのQUADとデッカは、いうまでもなくイギリスのスピーカーシステムとスピーカーユニットであり、
繊細さの表現において、個性的な存在といえる性質を持つが、あくまでも控えめな身上の音。
ハートレイはアメリカ東海岸のスピーカーメーカーとして、大口径のウーファーで知られているが、
創業者のハートレイ氏は、もともとはイギリススピーカー界で名の知られた人である。
いまもハートレイのスピーカーユニットは、ごく少数ながら作られ続けられているようで、
イギリス製だときいている。
つまりHQDシステムは、イギリス製およびイギリスに深く関係しているモノから構成されていたわけだ。
そこには己の存在を前面に押し出してくる、いわばアクの強さはない。
HQDシステムの音を聴いたことはないが、それでも、それぞれのスピーカーの性格から、
なんとなく、大まかな性格は想像していると、
ML2Lが、このハートレイとQUADとデッカの集合体を鳴らすのに、
ぴったりのパワーアンプとは、あまり思えない。
たしかにクォリティとしては十分なものがあるのはわかっている。
マーク・レヴィンソンがいたころのレビンソンのアンプでいえば、
パワーアンプはML3Lが、コントロールアンプもML7Lの組合せが、
スピーカーに寄り添っていく鳴り方をしてくれるはずだ。