オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(その4)
SG520の内部は、非常にこみいっているところと、余白とでもいいたくなるところがある。
これはマランツのModel 7も似ている。
内部は均等な密度に構成されているわけではない。
パネルレイアウトから考えれば、これも仕方ないことだと理解できるが、
メンテナンスを面倒にしている、のも事実である。
JBLのプリメインアンプのSA600の内部は、そういったところはない。
余白といえるところはない。
SG520よりも小さなシャーシーに、SG520とSE400Sと同等の内容をつめこんでいるのだから、
そうなって当然である。
40W+40Wの出力のプリメインアンプがこのサイズで、
コントロールアンプが、あの大きさということが、
頭では納得いっても心情的に納得できないところが、どうしても残る。
SA600の内部に余白はないけれど、SA600のパネルには余白といえるところがあって、
このところが、私はまた気に入っている。
ベイシーの菅原昭二氏さんが、C40 Harkness、
それも右チャンネルのHarknessの左上にSA600を置いてジャズを聴く──、これでよい、
といったことを書かれていたと記憶している。
その気持はわかる。
でも個人的にはSA600との組合せはデザインの面でも魅力的ではあっても、
SA600だけで満足できないという欲の深さもある。
菅原氏はベイシーという場所において、これだけのシステムを鳴らされているから、
自宅ではHarknessの上に置いたSA600で、という心境になるのかしれない。
HarknessにSA600、
この組合せについては私も以前考えていた。
誰もが考える組合せだろう。
菅原氏のように、もっと具体的に、
右チャンネルのHarknessの左上に、といったことまでは考える人は少ないだろうが。