オーディオ機器との出逢い(その2)
これは、もう出逢いだ、と、金色のフロントパネルをみた瞬間に思い込んでしまったわけだ。
そういうときには、後先考えずに手に入れるしかない。
それが、オーディオマニアにとっての出逢いなのだから。
「出逢い」について急に書く気になったのは、いましがた早瀬さんから電話があったことも関係している。
京都からこちらにもどってきて、これから、JBLのSA600に電源を入れるとのことだった。
SA600はアーノルド・ウォルフの傑作だと思う。
ウォルフが、JBLでデザインしたものは、ベル・エアーが最初の製品で、
SG520、SE400Sなどの一連のソリッドステートアンプたち、有名なパラゴンがある。
それに初期のスタジオモニターの4310と4320がある。
同じ4300シリーズでも、4320と4343とでは、ずいぶん趣が異る。
4343もウォルフのデザインのように語られることがあるが、やはりこのへんのデザインは、ここにも書いたように、ダグラス・ワーナーで間違いないはずだ。
おそらく4350からはじまったブルーバッフルも、ワーナーの発案だろう。
いま早瀬さんが愛用している4333は、4320と同じエンクロージュアのつくりと仕上げである。
つまりウォルフ・デザインのスピーカーだ。それを極上のSA600で早瀬さんは鳴らしている。
このふたつのウォルフ・デザインのJBLを手に入れるいきさつは、早瀬さんからきいている。
このふたつは、出逢うべくして、いま早瀬さんの手もとにある、といっていいだろう。