Date: 6月 16th, 2013
Cate: 調整
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オーディオ機器の調整のこと(その10)

なぜSMEの3009/SeriesIIIは、軽量級のカートリッジ用トーンアームとして認識されるようになったのは、
3009/SeriesIIIの後に登場したシュアーやオルトフォンなどのカートリッジの影響が大きいのではないだろうか。

3009/SeriesIIIはヘッドシェルはパイプと固定されていて、
3012、3009のようにヘッドシェルごとの交換はできない。
かわりにアームパイプの根元(基部)にソケットを設け、パイプごと交換する方法がとられている。

オルトフォンは一時期Concordeとよばれるシリーズを出していた。
いまでもConcordeシリーズは残っているけれど、
当時は軽針圧・軽量カートリッジであったのに対し、いまのConcordeは重めの針圧のDJ用となっている。

シェル一体型のConcordeには、
カートリッジ本体をそのまま3009/SeriesIIIのアームパイプと一体化し、
可動部分の実効質量の低減化をより徹底化したモノがあった。
シュアーからも同様のカートリッジが出ていたと記憶している。

この手のカートリッジの存在が3009/SeriesIIIに、
軽針圧・軽量カートリッジ専用のトーンアームという、
決して間違ってはいないものの、ある種の誤解を生じさせていった、といえよう。

私も自分で3009/SeriesIIIを使ってみるまでは、
なんなとく軽量カートリッジ用のトーンアームだと思い込んでいた。
ステレオサウンド 45号の山中先生の発言を読んでいたにも関わらず。

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