Date: 5月 27th, 2013
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広告の変遷(ソニーのこと・その3)

今日、一冊の本がゆうパックで届いた。
金曜日の夜おそく、日本の古本屋というサイトを通して注文した本である。

1975年に出た本で、「ヴァイオリン」という。著者は無量塔藏六(むらたぞうろく)氏。
岩波新書(青版)921である。
すでに絶版になっている。

この本を知ったのも、ソニーのSS-G7の広告である。
中島平太郎氏が椅子に腰かけている写真とともに中島氏による文章が載っている。
このパターンで、SS-G7の広告はいくつかある。
それだけこのころのソニーにとってSS-G7の存在は、自信作であり大きかったのだろう。
私が見た、そのうちのひとつに「ヴァイオリン」のことが書かれてあった。

そういえば、この広告、読んだ記憶がある。
本が紹介されていたことだけはなんとなく憶えていて、
当時、読もうと思っていたのに、いつしか忘れてしまっていた。

もうずいぶん忘れていたわけだ。
それを金曜日に、ある作業をしていて、偶然、SS-G7の、その広告を見つけ注文した次第である。

あの頃の広告には、ときどきではあったけれど、こんなふうに本やレコードについて書かれていることもあった。
例えばパイオニアのExclusiveの広告で、
ガーシュインの自演ピアノロールによるラプソディ・イン・ブルーのレコードのこともを知った。

マゼールとクリーヴランド管弦楽団による、この録音は1976年に行われている。
ガーシュインは1937年に世を去っているから、残されたピアノロールとの共演による。

広告で自社製品の良さをアピールするのは当然であっても、
こんなふうに本やレコードもいっしょに紹介されていると、ずいぶん印象も変るし、
なにより記憶に残る。少なくとも私はそうだ。

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