Date: 4月 24th, 2013
Cate: 598のスピーカー
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598というスピーカーの存在(その5)

音を言葉で表現するということは、いわば粗視化ともいえるし、
音を聴いて感じたことを書くということは、主観的でもあり、ときとして(人によっては)恣意的ですらある。
ようするに曖昧さをつねに内包している。

そういう音の表現を読む側にも同じことがいえ、
美辞麗句で語ったところで、どれだけ流暢な文章で語ったところで、
読み手に伝われるかどうかはなんともいえない。

書き手の能力も読み手の能力もつねに要求され試されている、ともいえる。

JBLに2405というトゥイーターがある。
1970年代のJBLのスタジオモニターに採用された2405の音は、
この時代を代表するスタジオモニター的性格を色濃く持った音といえる性格のトゥイーターである。

ステレオサウンド別冊のHIGH-TECHNIC SERIESの三冊目はトゥイーターの特集だった。
巻頭記事で、4343のトゥイーターのみを専用アンプで駆動して、
5種類のトゥイーターを、井上先生、瀬川先生、黒田先生で聴くということを行っている。

この記事は2405の性格をもっとも正確に伝えたものだと私は思っている。
この記事は鼎談によるまとめで、
当時登場したばかりのアメリカのリボン型トゥイーターピラミッドのT1と2405の比較は、
よくわかる内容であり、T1か2405かは、目指す方向を意識させてくれるものでもあった。

ここで2405は平面の切り張り、T1は自然な立体、と表現されている。

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