広告の変遷(その5)
私がその人たちに直接問わなくても、
オーディオ界には、本人にそのことについて問うたり、忠告をした人がいることはきいている。
あまり具体的なことを書くと、特定されそうだからぼかして書くことになるが、
そのときの、その人たちの返事はつぎのようなものだったそうだ。
オーディオ評論家として自分と、
広告の紹介文を書く自分とははっきり分けている。
だから広告の仕事をした国内メーカー、輸入代理店の製品を紹介するときも、
オーディオ評論家として恥ずべきことは何もない。
そういうことなのだそうだ。
いともたやすく、人はふたつの面を分けられるのだろうか。
ふたつがまったく別の仕事だったら、それも可能だろう。
業種が違い、業界が違う。仕事内容もまた違うのならば。
けれど、この場合は、どちらもオーディオ業界での仕事であり、
どちらも物書きという仕事である。