Date: 3月 3rd, 2013
Cate: アナログディスク再生
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ダイレクトドライヴへの疑問(その10)

ターンテーブルの回転を、コマの回転と重ね合わせると、
長島先生がステレオサウンド 48号において、
ターンテーブル及び軸受けの強度とターンテーブルの偏芯と上下ブレを測定された理由がみえてくる。

ターンテーブルがどんなに正確に規定の回転数、
LPであれば33 1/3回転で、ワウ・フラッターが測定の限界値に近くなろうと、
実のところ、音のゆれが完全になくなる、無視できるほどなくなるとはかぎらない。

アナログディスク再生で、回転ムラがあれば、そのは即座に音のゆれとなってあらわれる。
いうまでもなく33 1/3回転よりも速くなれば、音のピッチが高くなるし、
33 1/3回転よりも遅くなれば、音のピッチは低くなる。

回転数のズレが、つねに速い(もしくは遅い)であれば、
まだその補正はそう難しくはないだろうし、音への影響も限定的となる。

けれど速くなったり遅くなったり、つねに両方への変動があれば、音がゆれて鳴ることになる。

ダイレクトドライヴになり、サーボがかけられ、さらにクォーツロックも採用され、
測定上、もう充分ではないか、と思ってしまうほど、優秀な値を実現している。

けれどいくら優秀な値をほこる回転精度であっても、
ターンテーブルが偏芯していたり、上下のブレがあったり、
強度が不足していてしなり・たわみが生じたら、
これらは、回転ムラに起因する音のゆれとは、
性格の異なる音の「ゆれ」を生じさせている──、
そういえるのではないだろうか。

この音の「ゆれ」こそが、音への影響がもっとも大きい、
と私は考えている。

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