Archive for 9月, 2022

Date: 9月 12th, 2022
Cate: German Physiks, 新製品

ジャーマン・フィジックス HRS130(とサウンドクリエイト・その3)

私がジャーマン・フィジックスの製品のなかで、
ほんとうに欲しいと思っているのは、Unicornである。

いまはUnicorn IIになっているが、私は初代のUnicornに魅力を強く感じている。
Unicornといっても、若いオーディオマニアの人たちは知らない存在になっているかもしれない。

Unicornは、ジャーマン・フィジックス独自のDDD型ユニットを一本だけ搭載し、
独自のエンクロージュアとの組合せで、フルレンジ型としてまとめたもの。
もちろん低音は、それほど低いところまで出せるわけではない。

制約もあるスピーカーシステムではあるが、
Unicornの魅力について語り出したら止らなくなるので、
ここでは省くことにする。

私がタイムロードが取り扱っていた時代に聴いたのは、
Unicornの他には、フラッグシップモデルのGaudí、PQS402、Troubadour 40と80、
それに今回聴いたHRS130と同型のモデルを聴いている。

インターナショナルオーディオショウでのタイムロードのブース、
タイムロードの試聴室、とあるオーディオ店、知人のリスニングルーム、
そして菅野先生のリスニングルームにおいて、聴いている。

いうまでもなく、このすべてはチタン・ダイアフラム採用のDDD型ユニットである。
今回のHRS130はカーボンを採用している。

それにサウンドクリエイトでのラインナップは、聴いたことのない機種が含まれていた。
サウンドクリエイトでの試聴も初めてである。

なので、それまで聴いてきたジャーマン・フィジックスの音と比較して、
こまかいことを語ろうとは、まったく思っていない。

書きたいことは、サウンドクリエイトで聴けてよかった、ということ。
そしていちばん書いておきたいのは、MQAで聴いてみたかった、ということ。
それもできればメリディアンのULTRA DACを使って、である。

Date: 9月 11th, 2022
Cate: チューナー・デザイン

チューナー・デザイン考(マッキントッシュ MR89・その2)

マッキントッシュのMR87の日本での販売価格は880,000円(税込み)。 
MR89の日本での発売価格がいくらになるのかはわからないが、
MR87よりも高くなるであろう。

そうなると1,000,000円前後の価格になるかもしれない。
MR87と同価格だとしても、この時代、チューナーで音楽を聴く人はどれくらいいるのだろうか。

私が考えているのよりも意外に多いのかもしれない。
私と同じくらいの世代、上の世代となると、
若い頃にチューナーを購入しているであろう。

FM受信にそれほど熱心ではなかった私でも、
いいチューナーは一台は持っておきたい、と思ってきた。
いまはパイオニアのExclusive F3があるから、これでいい。

ようするに、いまの時代、チューナー購入を検討している人は、どれだけいるのか。
かなり少ないように感じている。
それもマッキントッシュのチューナーを購入しようと検討している人は、
少なくともマッキントッシュのアンプを使っている人であろう。

アンプは他社製を使っていて、
チューナーだけマッキントッシュのモノを、という人は多くはないはずだ。

その意味で、マッキントッシュのチューナーの新製品は、
他社のチューナーの新製品とは位置づけが違うところがある。

それでも、この時代に、チューナーの新製品を出す。
それはなかなかのことだと私も思っている。

そういう時代に出すチューナーの新製品なのだから、
アンプと筐体、パネルデザインを共通にして、コストダウンを計るのは、
メーカーとしては当然の策といえば、そうだろうと思いはする。

けれどマッキントッシュにはMR87というチューナーがある。
このモデルを継承するデザインにしなかったのはなぜだろうか。

MR87には、受信周波数を数字で表示するダイアルスケールがある。
一般的なチューナーの顔付きをしている。

このダイアルスケールは、国によって周波数バンドが違うため、
輸出する国の周波数バンに合わせなければならない。
それもコストの一部である。

MR89には、MR87にあったダイアルスケールはない。
この部分の国に合せる必要をなくしている。

マッキントッシュのプリメインアンプとデザインを共通にすることで、
ここにかかるコストもカットする、というところは合理主義の結果といえる。

これらのことをふまえて、MR89のデザインをどう評価するのか。
人それぞれとはいえ、私は、この項のテーマを考えていくうえでは、
ポジティヴな面とネガティブな面、どちらも感じているし、
それはMR89というチューナーの評価ではなく、
チューナー・デザインを考えていくうえで、
どう捉えるかのほうにおもしろさを感じている。

Date: 9月 11th, 2022
Cate: チューナー・デザイン

チューナー・デザイン考(マッキントッシュ MR89・その1)

マッキントッシュの本国のウェブサイトは、数ヵ月に一度くらいアクセスしている。
どんな新製品が発表になっているかな、という野次馬的な好奇心から見ている。

今回、チューナーの新製品、MR89に気づいた。
輸入元のエレクトリのサイトをすぐに見たけれど、まだ紹介されていない。
現時点での日本で取り扱われているマッキントッシュのチューナーはMR87のみだ。

MR87は、いま風のマッキントッシュのパネルになっているものの、
以前からのマッキントッシュのチューナーの面影は残っている。
チューナーという感じがする。

MR89は何も知らずに写真だけを見たら、チューナーと思わない人が多数だろう。
マッキントッシュにしては、やや薄型のプリメインアンプと思う人が多いはずだ。
実際にMA5300の写真と見較べてほしい。

左右に、マッキントッシュの特徴といえるブルーのメーターがある。
その下に丸いノブとプッシュスイッチが並んでいる。
中央には液晶ディスプレイがある。

いまのマッキントッシュのアンプのデザインそのままといえる。
これが最新のマッキントッシュのチューナーのデザインである。

これを新しいチューナーのデザインと受けとるか、
それともコストダウンのためのデザインと受けとるか。

Date: 9月 11th, 2022
Cate: 新製品

Meridian 210 Streamer(その3)

今日の午後、メリディアンの210が宅急便で届いた。
オーディオ仲間の若い友人のHさんが、
先週「210、一週間ほどでしたら貸しましょうか」といってくれたからだ。

メリディアンの210の発表は、2019年8月だった。
それから三年経っての210との対面である。

改めて書くことなのかと思いながらも、
オンキヨーの無責任さは、何度でも書いておく。

2019年の発表からそう経たないうちに、
メリディアンの輸入元がオンキヨーにかわるというニュースがあった。

イヤな予感はあった。
たっぷりとあった。
そのころからすでにオンキヨーについてのウワサは耳にしていたからだ。

結局、オンキヨーはメリディアンの輸入元として何もしていない。
何もしていないのは、いわばマイナスの三年間だった。

オンキヨーのせいで、210の日本での発売は止ったままだった。
210は、すでに新製品とは呼べないけれど、日本では新製品といっていい。

210は、チューナーでもあり、D/Dコンバーターでもある。

Date: 9月 11th, 2022
Cate: ディスク/ブック

ヘルマン・プライの「冬の旅」(その3)

「冬の旅」を初めて聴いたのは、ハタチごろで、
フッシャー=ディスカウの歌唱による録音だった。

おもしろいというか、ふしぎといおうか、
そのころは「冬の旅」が青年が旅する歌であり、「青春」の歌であることはわかっていても、
そのことを意識しながら聴いていたとはいえなかったのが、
いまになって(あと数ヵ月で六十になる)、「冬の旅」が「青春」の歌であることを、
意識するようになってきている。

だからヘルマン・プライの「冬の旅」がいまの私に響いてくるのかもしれない。

「冬の旅」はドイツ語だから、いまも昔もわかっているわけではない。
もちろん対訳は何度か読んでいるから、おおまかに何を歌っているのかはわかるけれど、
それもほんとうにおおまかでしかない。

そんな聴き手(私)の心に、
ヘルマン・プライの「冬の旅」は「青春」の歌として響いてくる。

落穂拾い的な聴き方をしているけれど、
今回はそれでよかった、と思っている。

ハタチごろの私には、ヘルマン・プライの「冬の旅」は響いてこなかったかもしれないからだ。

Date: 9月 10th, 2022
Cate: German Physiks, 新製品

ジャーマン・フィジックス HRS130(とサウンドクリエイト・その2)

今も昔も、行きつけのオーディオ店がない。
行きつけのオーディオ店があれば、そこで聴きたいモデルが聴けるとなれば、
私でもすぐに聴きに行くだろうが、くり返すけど、行きつけのオーディオ店がない。

そんな私は誰かに誘われでもしないかぎり、
オーディオ店で何か試聴することはない。

今回は違った。
ジャーマン・フィジックスの輸入元であるタクトシュトックが、
今秋開催のインターナショナルオーディオショウに出展するのであれば、
そこで聴ける機会はあるけれど、タクトシュトックは出展しない。

となると親しい誰かが購入するか、
オーディオ店で試聴するぐらいしか、いまのところない。

サウンドクリエイトには、試聴の問合せをすることなく行った。
にも関わらずとても丁寧な対応をしてくださり、
15時から試聴の予約が入っているけれども、それまでなら大丈夫です、となった。

これがトロフィーオーディオ店だったら、どんな扱いをされたか。
今回は私一人ではなく、二人だった。

連れの彼も、サウンドクリエイトは初めてだった。
それに二人とも、高価なオーディオ機器を買いに来たという身なりではなかったし、
試聴だけが目的だったことは、サウンドクリエイトのスタッフの方もわかっておられただろう。

トロフィーオーディオ店だったら──、
客扱いされることはないと思うし、
そのことを批判したいわけてはない。

商売をやっているのだから、一文の得にもならない者の相手をするのは、
時間、労力の無駄。そういう考えを否定はしない。

でも、そういうオーディオ店ばかりではオーディオの世界は拡がっていくことはない。
トロフィーオーディオ店(屋)で買ってこそ、という人もいるのだから、
トロフィーオーディオ屋がなくなければいいとも思っていない。

今回、ジャーマン・フィジックスのスピーカーをサウンドクリエイトで聴けたことは、
よかった、と素直にいえる。

Date: 9月 10th, 2022
Cate:

音の種類(その7)

音の種類についてあれこれ考え書いていても、
それらの音を出せるのか、である。

結局は、出せる音と出せない音ということになっていくのだろうか。

Date: 9月 9th, 2022
Cate: 真空管アンプ

五極管シングルアンプ製作は初心者向きなのか(50CA10単段アンプ・その13)

50CA10のヒーターは、50V、0.175Aという規格だから、
オームの法則で抵抗値は285.7Ω程度である。

この値はヒーターが十分に熱くなってのことだ。
冷めた状態では、テスターで測かると、約40Ωである。

つまり50CA10を二本直列にすると、40Ω+40Ωで約80Ωしかない。
ここに100Vの交流電圧がかかるわけだから、最大で100V/80Ωで、
約1.25Aの電流が流れることになる。

1.25Aは0.175Aの七倍ほどである。
ヒーターの温度の上昇に伴い抵抗値も増えていくので、
十分に熱くなれば、0.175Aに落ち着くわけだが、それまでの時間、
短い時間であっても、50CA10のヒーターには規格値よりもかなり大きな電流が流れる。

白熱電球のフィラメントが切れるのは、スイッチを入れた時である。
このことは真空管のヒーターと同じである。
冷めた状態ではフィラメントの抵抗値が低いから、過大な電流が流れるからだ。

50CA10がいまでも新品が安価に入手できるのであれば、そういう使い方でもいい。
けれど、何度も書いているように50CA10は、そうではなくなっている。

なので私は50CA10と直列に285Ω程度の抵抗を入れる。
こうすれば、50CA10のヒーター温度が低い状態でも、
285Ω+40Ωで、約325Ωになるから、電源を入れた直後でも、100V/325Ωで、約0.3A。

50CA10直列接続よりもかなり低い値に抑えられる。
これだけでも、50CA10の寿命をのばせるはずである。

こういう場合、セメント抵抗を使う人が割と多い。
セメント抵抗の音の悪さは、けっこうなものである。

いや、セメント抵抗も使い方次第、という人もいるようだが、
私はたとえヒーター回路であっても使いたくない。

Date: 9月 9th, 2022
Cate: ディスク/ブック

ヘルマン・プライの「冬の旅」(その2)

(その1)を読んで、ヘルマン・プライの「冬の旅」を聴かれた方から、
facebookにコメントがあった。

その方はパパゲーノの印象が強すぎて、
プライの「冬の旅」を敬遠されていたようだ。

「冬の旅」といえば、フッシャー=ディスカウだけでなく、
ホッターの「冬の旅」も世評は高い。
いまはどうなのか知らないが、1980年代はそうだった。

「冬の旅」について詳しいことは省くが、
いわば「冬の旅」は、青年が旅する歌であり、「青春」の歌でもある。

そこのところで、ホッターの歌唱はもう青年とは感じられない。
中年をこえて年老いた人のようにも感じられる。

フッシャー=ディスカウの歌唱は年老いているわけではない。
でも、プライの歌唱から感じられる「青春」は、
フッシャー=ディスカウの歌唱からは、私はやや感じとりにくい、というか、
そういうこととは違うところでの歌唱のように感じられる。

コメントの方は、プライの「冬の旅」は、
肩の力の抜けた、というか、穏やかな、何かほっとするような演奏と書かれている。

意外に、ヘルマン・プライの「冬の旅」は聴かれていないのかもしれない。
とにかく、私が書いたのを読んで、プライの「冬の旅」を聴かれた人が、
少なくとも一人はおられたわけで、このことは単純に嬉しい。

Date: 9月 9th, 2022
Cate: Wilhelm Furtwängler, ディスク/ブック

Brahmus: Symphony No.1(Last Movement, Berlin 23.01.1945)

五味先生の「レコードと指揮者」からの引用だ。
     *
 もっとも、こういうことはあるのだ、ベルリンが日夜、空襲され、それでも人々は、生きるために欠くことのできぬ「力の源泉」としてフルトヴェングラーの音楽を切望していた時代——くわしくは一九四五年一月二十三日に、それは起った。カルラ・ヘッカーのその日を偲ぶ回想文を薗田宗人氏の名訳のままに引用してみる——
「フルトヴェングラーの幾多の演奏会の中でも、最後の演奏会くらい強烈に、恐ろしいほど強烈に、記憶に焼きついているものはない。それは一九四五年一月二十三日——かつての豪華劇場で、赤いビロードを敷きつめたアドミラル館で行なわれた。毎晩空襲があったので、演奏会は午後三時に始まった。始まってまもなく、モーツァルトの変ホ長調交響曲の第二楽章の最中、はっと息をのむようなことが起った。突如明りが消えたのである。ただ数個の非常ランプだけが、弱い青っぽい光を音楽家たちと静かに指揮しつづけるフルトヴェングラーの上に投げていた。音楽家たちは弾き続けた。二小節、四小節、六小節、そして響はしだいに抜けていった。ただ第一ヴァイオリンだけが、なお少し先まで弾けた。痛ましげに、先をさぐりながら、とうとう優しいヴァイオリンの旋律も絶え果てた。フルトヴェングラーは振り向いた。彼のまなざしは聴衆と沈黙したオーケストラの上を迷った。そしてゆっくりと指揮棒をおろした。戦争、この血なまぐさい現実が、今やはっきりと精神的なものを打ち負かしたのだ。団員がためらいながらステージを降りた。フルトヴェングラーが続いた。しばらくしてからやっと案内があって、不慮の停電が起りいつまで続くか不明とのことであった。ところが、この曖昧な見込みのない通知を聞いても、聴衆はただの一人も帰ろうとはしなかった。凍えながら人びとは、薄暗い廊下や、やりきれない陰気な中庭に立って、タバコを吸ったり、小声で話し合ったりしていた。舞台の裏では、団員たちが控えていた。彼らも、いつものようにはちりぢりにならず、奇妙な形の舞台道具のあいだに固まっていた。まるでこうしていっしょにいることが、彼らに何か安全さか保護か、あるいは少なくとも慰めを与えてくれるかのように。フルトヴェングラーは、毅然と彼らのあいだに立っていた。顔には深い憂慮が現われていた。これが最後の演奏会であることは、もうはっきりしていた。こんな事態の行きつく先は明瞭だった。もうこれ以上演奏会がないとすれば、いったいオーケストラはどうなるというのだ。」
 このあと一時間ほどで、待ちかねた演奏会は再開される。ふつう演奏が中断されると、その曲の最初からくりかえし始められるのがしきたりだが、フルトヴェングラーはプログラムの最後に予定されたブラームスの交響曲から始めた、それを誰ひとり不思議とは思わなかった。あのモーツァルトの「清らかな喜びに満ちて」優美な音楽は、もうこの都市では無縁のものになったから、とカルラ・ヘッカーは書きついでいるが、何と感動的な光景だろうか。おそらく百年に一度、かぎられた人だけが立会えた感動場面だったと思う。こればかりはレコードでは味わえぬものである。脱帽だ。
     *
この「レコードと指揮者」を読んだ頃、
フルトヴェングラーのブラームスの一番といえば、
1951年、ベルリン・フィルハーモニーとのライヴ録音の世評は高かった。

こういものを読むと、聴きたくなる。
1945年のドイツでの演奏会の録音が残されているとは、当時は思わなかった。

けれど残っているものである。
最終楽章のみ録音が残っている。

私が聴いたのは、Music & ArtsのCDだった。
フルトヴェングラーのブラームスの演奏を集めた四枚組ぐらいのCDだった。

そこに1945年1月23日のブラームスの一番の最終楽章があった。
1990年ごろだったはずだ。

五味先生の文章を読んで十年ほど経っていた。
いまはTIDALでも聴くことができる。

なので先日、久しぶりに聴いた。
前回きいた時から、二十年近く経っていた。

Date: 9月 8th, 2022
Cate: Jazz Spirit

二度目のナルシス(その4)

昨日(9月7日)、
新宿のジャズ喫茶、ナルシスに行った。

これで四度目のナルシスである。
いつも誰かと行っている。
今回もそうだ。

坐る席も、毎回ほほ同じ。
かかっているレコードは、いつも違う。
四回しか行っていないのだから、同じレコードがかかる率は低い。

それでも昨夜のナルシスの音は良かった、とはっきりといえる。
頻繁にナルシスに行っているわけではない。

おそらく次回は来年だろう。
その時、どんな音になっているのだろうか、と思うし、
ナルシスの昨晩の音を聴いていると、
ジャズ喫茶をやるならば、スピーカーは何を選ぶ、ということを、
ついつい考えてしまう。

以前、別項で、ロックウッドのMajor Geminiにしたい、と書いた。
Major Geminiもいい、と思うし、Major Gemini以外ならば、何にするだろうか。

そんなことをつい考えさせてしまうナルシスの音でもあった。

Date: 9月 8th, 2022
Cate: 録音

ショルティの「指環」(その18)

タワーレコード、HMVのサイトでの紹介文をよると、
今回の「ラインの黄金」2022年リマスター盤では、
1958年オリジナルのマスターテープから新たに制作したDSDマスターを使用、とある。
そのうえで、マスタリング作業は、192kHz、24ビット環境で行われた、とのこと。

つまりアナログ録音をDSDに変換、さらに192kHz、24ビットのPCMに変換。
発売されるのはSACDなのだから、192kHz、24ビットのPCMを、
2.8MHzのDSDに変換しているようだ。

おそらく(期待もこめて)、
e-onkyoやTIDALでも配信されるであろう。

e-onkyoではDSF、PCMのflac、それからMQAが用意されることだろう。
TIDALはMQAになる、と思っている。

192kHz、24ビットでのMQAでの配信を勝手に期待している。
可能性はかなり高いはずだ。

タワーレコード、HMVの紹介文を読んでいると、
今回のリマスタリングは、これまでよりも丁寧な作業が行われているように感じられる。

2009年のエソテリックのSACDは聴いていない。
周りに持っている人もいない。

私は、発売のニュースに当時は軽く興奮していた。
きちんとした作業が行われてのSACD化だと思い込んでしまった。

けれど、しばらくしてからいくつかのウワサが耳に入ってきた。
そのことを検証したくとも、聴いていないのだから、はっきりしたことは何もいえないが、
いま思っているのは、当時無理して買わなくてよかった、である。

Date: 9月 8th, 2022
Cate: audio wednesday

第二回audio wednesday (next decade)

第二回audio wednesday (next decade)は、10月5日。

昨日の第一回と同じく、場所はまだ決めていない。
どこかに集まって、というかたちをとる予定だ。

Date: 9月 7th, 2022
Cate: ディスク/ブック

BINDER QUINTET: Featuring John Tchicai

今日は第一回audio wednesday (next decade)で、
ジャズ喫茶めぐりをしていた。

最後に行った店は、新宿のナルシス。
ここだけは、最後に行こう、と最初から決めていた。

18時ごろに入店。
ドアを開けて入ったら、目の覚めるような音が鳴っていた。

かかっていたのが、ビンダー・クインテットの“Featuring John Tchicai”だった。
私は熱心なジャズの聴き手ではないから、聴いて、すぐにそれが誰の演奏なのかはわからない。

クラシックだって、これまで聴いたディスク(録音)よりも、
聴いていないディスク(録音)のほうが多いのだから、
ジャズに関しては、聴いているディスク(録音)はわずかでしかない。

ビンダー・クインテットの名も、初めて知った。
最近では、こういう場で気に入った曲がかかっていると、
店の人に訊ねる前に、iPhoneにインストールしているアプリShazamで検索する。

多くの人が、Shazamを使っていることだろう。
便利なアプリである。
けれど、Shazamでも、ビンダー・クインテットの“Featuring John Tchicai”は表示されなかった。

なのでジャケットにある“BINDER QUINTET”の文字を手入力しての検索。
すぐに、どのディスクなのか判明したが、
TIDALで聴けるだろう、と思い検索してみると、
ビンダー・クインテットは一曲のみ表示されるだけ。
アルバムの検索結果はゼロだった。

いまのところ、CDも入手はできないようだ。
とはいえ、ビンダー・クインテットの“Featuring John Tchicai”は手に入れたい、
自分の音で聴いてみたい。

今日は、このディスクとの出逢いがあった。

Date: 9月 7th, 2022
Cate: German Physiks, 新製品

ジャーマン・フィジックス HRS130(とサウンドクリエイト・その1)

7月10日から日本での発売が開始になったジャーマン・フィジックスのHRS130。

タイムロードが扱っていた頃は、よかった。
2006年に、突然輸入元がゼファンになった。
それからは、ひどかった。

ジャーマン・フィジックスの製品、その音がひどかったのではない。
ゼファンによる扱いがひどかった。
しかもわずかな期間で取り扱いをやめてしまっている。

それからは、ジャーマン・フィジックスの日本での取り扱い元はなかった。
かなり長い間、そういう状態だった。
ジャーマン・フィジックスの不在の時期は、私にとっては実際の年月よりも長く感じられた。

今年6月に、タクトシュトックが取り扱うニュースが届いた。

まだいまのところ取り扱い製品は、HRS130だけである。
それでも、いい。とにかくもう一度ジャーマン・フィジックスが聴ける。

とはいえ、これまで聴く機会はなかった。
今日、聴いてきた。

場所は、サウンドクリエイトである。
サウンドクリエイトは、銀座二丁目にある。

私は、以前から銀座にきちんとしたオーディオ店があるべきだ、と思っていた。
親しい人とも、そんなことを何度か話したことがある。

サウンドクリエイトは、以前の場所のときに、ほんのちょっとだけのぞいたことがあるくらい。
ほんとうにわずかな時間だったから、今回が初めて、といっていい。

どういうオーディオ店なのかは、なんとなくは知っていたけれど、
それはなんとなくでしかなかったことを、実際に行って感じていた。

HRS130は今日までの展示・試聴だった。
もしこれが、トロフィーオーディオ店と呼ぶしかない、そんな店だったら、
私は行かなかった。

今回は、ジャーマン・フィジックスのスピーカーということ、
そしてサウンドクリエイトということが重なって、
こういうことにはやや重い腰の私でも、行って聴いてこよう、になる。