4月3日のaudio wednesdayで、別項で触れているように、
アポジーのDuetta SignatureをクレルのKMA200で鳴らす。
時代的に揃っている組合せであり、
1980年代のハイエンドオーディオをふり返ることにもなる。
そこであらためてハイエンドオーディオについて考えてみたい。
ハイエンドオーディオが使われはじめたのが、いつなのか。
おそらく1970年代後半あたりからであろう。
一般的に広くつかわれるようになったのが約十年後、1980年代半ば過ぎからか。
とにかく四十年以上が経っている。
そのあいだにハイエンドオーディオの使われ方も、ずいぶんと変ってきた。
名器やヴィンテージオーディオと同じように、安っぽい使われ方も見受けられるようになった。
なんでもかんでも名器と呼ぶ人がいるし、
すこしばかり古い製品の大半をヴィンテージオーディオと呼ぶ人も増えてきている。
これが名器? これがヴィンテージオーディオ?
そう問いたくなることが増えているのは、ソーシャルメディアを眺めていると、
どうも日本だけではなく他の国でもその傾向はある。
ハイエンドオーディオも、その傾向があるが、
それ以前に、ハイエンドオーディオのはっきりとした定義はどこかにあるのだろうか。
使われ始めたころは、なんとなくではあっても共通の認識のようなものはあった。
少なくとも私はそう感じていた。
価格が高いモノだけがハイエンドオーディオの範疇ではなかった。
それがいつしか非常に高額なモノがそう呼ばれるようになってきた。
けれど、ここで考えたいのは、非常に高額なオーディオ機器は、
そのブランドの最高級機であるから、その意味では確かにハイエンドオーディオといえる。
でも、最近のそれはハイエンドオーディオと呼ぶよりも、
ラグジュアリーオーディオであって、そのラグジュアリーオーディオのなかには、
ハイ・ラグジュアリーオーディオ、その上のハイアー・ラグジュアリーオーディオ、
さらにその上のハイエスト・ラグジュアリーオーディオがあるような印象を持っている。
このラグジュアリーオーディオは、もうオーディオマニアのモノではない。
そんな感じすら受ける。