私は基本的にインターネットにあふれている試聴記は、まったく信じていない。
というよりも、ほとんど読まない。
それは匿名で書かれたものはもちろんのこと、本名で書かれたものに関してもだ。
インターネットだから本名とこちらが思っているだけで、偽名の可能性だってある。
だからといって、オーディオ雑誌に掲載されている試聴記を信じているわけでもない。
こちらも、もうまったく読まなくなった。
それは私がそうであるだけで、他の人がそうであるわけではない。
だからこそメーカーはモニター機をオーディオマニアに貸し出して、
その試聴記を書いてもらおうとするのではないのか。
ようするにインターネット、SNSによる口コミを販売促進に役立てたいからなのだと思う。
(その9)で紹介している個人ブロガーとアクセサリーメーカーとの、いわゆるトラブル(ゴタゴタ)は、
そういうところから起ったことのようにも思える。
個人ブロガー、アクセサリーメーカー、どちらの側につくことはしないが、
私がメーカー側の人間だったら、少なくともtwitter、ブログを匿名でやっている人には、
モニター機を貸し出さない。
モニター機を貸し出す際には、相手の名前、住所、電話番号は聞いている。
匿名でなくとも、偽名でブログやSNSをやっているのかどうかも、そこでチェックできる。
他社製品との比較は困る、とか、株価が下がったら……、そんなことをいうのであれば、
最初から匿名でやっている人には貸し出さないのがいいように思う。
匿名でやっている人すべてが信用できない人とはいわないが、
モニター機に関しては、本名で試聴記を書くのが最低限のルールというかマナーだと思う。
そう思うのは、もう古い考えなのか。
モニター機を借りて、気になる点を感じたり見つけたりしたら、
それは直接メーカー側に伝えればいいことだ。
それが致命的な欠点だとしたら、試聴記を書かない、という選択肢もある。
そして、なぜ書かなかったか、という理由も含めてメーカー側に伝えればいい。
それではブログやSNSを読んでくれている人に、
正確なことを伝えられない、と、そんな人はいうかもしれない。
でも、それはその人が感じた欠点でしかなく、
実際のところ、ほんとうに欠点といえるのか甚だアヤシイ。
使い方、使っているシステムとの相性、
それにその人の聴き方など、そんなことが綯交ぜになっての結果としての音。
それを聴いての欠点と感じただけであって、
別の人が聴いたら、そうでないことがあるのは、オーディオマニアなら経験しているはず。