Archive for category the Reviewの入力

Date: 9月 1st, 2009
Cate: the Reviewの入力

the Review (in the past) を入力していて……(その31)

1953年に創立されたマランツは、いまでも健在だが、創立者のソウル・B・マランツは、
1967年にスーパースコープ社に譲渡し、マランツから離れている。

マッキントッシュの創立は1946年、創立者はフランク・H・マッキントッシュ。
同年にゴードン・J・ガウが入社し、以後、約30年にわたって共同経営し、
1977年からゴードン・ガウが社長を引き継ぐ。

真空管アンプ時代、マランツは、モデル2、モデル5、モデル8(B)、モデル9と、
機種数からいえば、コントロールアンプよりもパワーアンプのほうが多いが、出力管は一貫してEL34を採用。
マッキントッシュのパワーアンプは、出力管もさまざまで、機種数も多い。製品の規模も豊富で、
パワーアンプの開発に意欲的だった印象がある。

そのため、マランツはコントロールアンプのほうが得意だった、
マッキントッシュはパワーアンプが得意だった、という印象がある。

コントロールアンプを得意としていたマークレビンソンも、レヴィンソンは、創立後12年目に離れている。
ソウル・B・マランツが、マランツを離れてから、ダルキストに参画したり、
ジョン・カールと手を組んだり、といくつかの会社を渡り歩いているのと同じように、
マーク・レヴィンソンも、その後、チェロをつくり離れ、
レッドローズミュージックをつくり、と、
コントロールアンプに対して、才能を発揮するタイプは、
じっくりとひとつのブランドを成長させていこう、という気質は希薄なのかもしれない。

Date: 9月 1st, 2009
Cate: the Reviewの入力

the Review (in the past) を入力していて……(その30)

クレル(PAM2をのぞく)とスレッショルドのコントロールアンプには、
ある種のもどかしさを感じると書いた。

同じようなもどかしさを、マークレビンソンのパワーアンプ、ML3Lにも感じていた。
ML2Lには、そんなことはまったく感じなかったのに、ML3Lにはあった。

だからというわけではないが、製品の構成を含めてみると、
マークレビンソンは瀬川先生が指摘されていたように、コントロールアンプを得意とするメーカーである。
そして、クレル、スレッショルド/パスラボは、
どちらかといえばパワーアンプを得意とするメーカーといえるし、
パワーアンプに対して意欲的な開発をするメーカーともいえる。

つまりクレルのダニエル・ダゴスティーノ、スレッショルド/パスラボのネルソン・パスは、
パワーアンプに対して意欲的なアンプエンジニアである。

理由はわからないが、マランツ、マッキントッシュのころから、
パワーアンプを得意とするほうが、ブランドが永く続いているようだ。

Date: 8月 28th, 2009
Cate: the Reviewの入力

the Review (in the past) を入力していて……(その29)

初期のクレルのフロントパネルを請け負っていた職人が亡くなったことが、
パネル処理が変わっていったことの理由だと、かなり経ったころ輸入元の人からきいた。

その職人にしかできない処理で、誰にも、どうやるのかは伝えていなかったこともあり、
なんとか再現しようとあれこれやったものの、
同じシルキーホワイトのパネルをつくり出すことはできなかったそうだ。

これは傅さんからきいた話だが、
クレルは、ダニエル・ダゴスティーノと、妻のロンディーのふたりきりではじめた会社で、
最初の頃は、資金が豊潤にあるわけでなく、ダゴスティーノ夫人がアンプを製作し、
梱包し出荷までやっていた時期があったそうだ。

シルキーホワイトのパネルの時期と、同じ時期の話だろう。
PAM2とKSA100は成功をおさめる。
そうなると従業員を雇い、会社の規模は大きくなる。

初期のころの、家内工業のような体制とはまったく異る組織へと変貌していく。
それにともない、シルキーホワイトのパネルの再現とは決別し、
ダゴスティーノ夫人もアンプ製作から離れていく。

シルキーホワイトのフロントパネル、それにダゴスティーノ夫人の手によっていたこと──、
こういった、アンプの音質と直接関係しているわけではないことが、
あの頃のクレルの音を構築していた要素のひとつ、それはひじょうに小さな要素のひとつでありながら、
実は重要な要素のひとつでもあったような気がしてならない。

そんな情緒的なことが、音に関係するわけはない、そう言い切りたくとも、
いちどでもあの頃のPAM2とKSA100の組合せの音を聴いたことがあると、なかなかできない。

Date: 8月 28th, 2009
Cate: the Reviewの入力

the Review (in the past) を入力していて……(その28)

いちどかぎり、その場かぎりの演奏と、工業製品のあいだに、そういう共通性はないのかもしれないが、
それでも、クレルのPAM2とKSA100の、ごく初期のモデルを聴いていると、こじつけと言われようが、
やはり共通するものがある、と言いたい。

初期のクレルのアンプのフロントパネルは、シルキーホワイトと呼ばれるキメの細かいアルマイト処理が施され、
鳴ってきた音も、まさにフロントパネルの印象にぴったりの音で、
正直、トランジスターアンプから、こういう音が出るようになったんだ、と、
その音の素晴らしさに魅了されるだけでなく、驚いたことを、いまでもきっきりと憶えているほどだ。

しかし、このシルキーホワイトのフロントパネルは、しばらくしたらなぜか変更されてしまった。
一時期、青が濃いパネルになったときもある、なんとなく初期のモノに近いパネルにもどったときもある。
とにかく製品が入荷するたびに、パネルの処理が変わっていく、そんな感じだった。

当時は、理由がわからず、なぜ、最初のパネルに戻さないのか、不思議だったし、
パネルの変化とともに、型番は変わらなかったが、音の印象も微妙に変っていったように感じていた。

Date: 8月 28th, 2009
Cate: the Reviewの入力

the Review (in the past) を入力していて……(その27)

フィッシャー=ディースカウは、マーラーの「さすらう若人の歌」を幾度か録音している。
1952年にフルトヴェングラーと、1968年にクーベリックと、1978年にはバレンボイムと、録音している。

フルトヴェングラーとのレコードについて、黒田先生が、なにかで書かれていたのを思い出す。
クーベリック、バレンボイムとの歌唱は、
フルトヴェングラーとのレコードをうわまわるものではない、とされたうえで、
いかなる名歌手でも、一生に一度しかうたえない歌がある、と。
フルトヴェングラーとの「さすらう若人の歌」以外のものは考えられない、
そんなことを書かれていた。

アンプのエンジニアにも、そういうことがあるとしたら、
クレルのデビュー作、PAM2、KSA100が、まさにそうであろう。

Date: 8月 18th, 2009
Cate: the Reviewの入力

the Review (in the past) を入力していて……(その26)

抵抗やコンデンサーが、同じ方向を向き、行儀良く整然と並んでいる、そんな印象を受ける。
キレイなパーツの並び方だと思う人もいるだろうが、私は、この種のパーツに配列には、異和感を感じる方で、
なにかコンピューターか何か、そういった類のものようなモノに近いといったらいいか……、
とにかくオーディオのアンプという感じを、あまり受けない。

こういう部品配置が音質的にどうなのかは、
自分でアンプを実際に組んだうえで音を聴いてからでないと、
ほんとうはもっともなことはいえないのだが、
それでも、この種のアンプの音に共通の、不思議なもどかしさを感じる傾向が、私にはある。

音を聴く前に、天板を外し、中を見るわけではない。
あくまでも、音を聴いたあとに、中を見るわけだが、
スレッショルドのSL10(そのあとに出たFETシリーズもふくめて)と、
クレルのPAM2以降の数機種のコントロールアンプは、この部品配置がなんとなく似ている。

アンプの音は、部品配置だけで決るものでもないし、
部品配置がアンプの音をどれだけ支配するかということについても、
誰も正確なところは言えないだろう。

それでも感覚的なところで、この種の部品配置のアンプからは、
荒々しさとか、ざっくりとした質感といったらいいのだろうか、
そういった表現で表わしたくなる性質のものが、薄らぐ傾向にある、と言いたくなるのだが……。

もしくはこういう部品を配置する人は、そういう音を好む、ともいえるのかもしれない。

Date: 8月 18th, 2009
Cate: the Reviewの入力

the Review (in the past) を入力していて……(その25)

PAM2と同じコンストラクションのコントロールアンプは、クレルからも、そのあと登場していない。
PAM2のプリント基板は、正方形に近かったと思う。
これ一枚に片チャンネル分のフォノイコライザーとラインアンプを構成する部品が取り付けてられている。
おそらく基板の左側、リアパネルからフロントパネルに向かって、フォノイコライザーアンプが、
そして基板右側、今度はフロントパネルからリアパネルに向かって、ラインアンプ、というふうになっているはずだ。

フォノ入力の信号は、基板上でUの字のような経路を通る。
ライン入力の信号は、リアパネル端子からフロントパネルの入力セレクターのスイッチまでくるわけだから、
やはりUの字のような経路を通っている。

これが、KRSシリーズのコントロールアンプ、PAM3になると、フロントパネル右側から左に向かって、
一直線に信号は向かう。もちろん入出力端子へ接続では折れ曲がるものの、
信号経路の、大きく表わすと直線といっていい。

こういう違いのためか、それとも、パーツ配置への考え方が変化したのか、
プリント基板を見た印象が、PAM2と、それ以降のコントロールアンプでは、
おもにコンデンサー、抵抗などの受動素子の配列に、違いがあるように感じられる。

Date: 8月 4th, 2009
Cate: the Reviewの入力

the Review (in the past) を入力していて……(その24)

ボリュウムは、ML6LとPAM2は、左右チャンネルで独立している。そのため音量調整のたびに、
ふたつのボリュウムをいじり、音量をぴたり揃えるのに、少しばかり慣れが必要となる。

ML6Lは、専用の木製ケースに収めれば、上下2段に重ねることになるし、
このケースを使わないにしても、ほとんどの場合、やはり2段重ねで使われることが多い。
つまりボリュウムは上下に配置されることになる。
ただこの種のアンプの場合、左右チャンネルを同条件に揃えるという意味からは、
上下に重ねることは、とにかく避けたいのだが……。

PAM2では、左右にすこし離して配置されている。ボリュウム間はML6Lよりも離れているわけだが、
どちらが使いやすいかといえば、人によりけりだろうが、PAM2の配置の方が、まだ操作しやすい。

CA-Xは、その点、日本製アンプらしい、といえる気配りで、ボリュウムそのものは独立しているが、
メカニカルクラッチを組み込むことで、連動させての音量調整も、左右別個の調整も可能にしている。

Date: 8月 4th, 2009
Cate: the Reviewの入力

the Review (in the past) を入力していて……(その23)

クレルのPAM2は、フロントパネルで機械的には結合されているが、左右チャンネルをアンプ部だけでなく、
外付けの電源部、電源コードまで分けている。

コントロールアンプとパワーアンプという違いはあるものの、
マランツの初期のソリッドステートアンプ、♯15のつくりそのものである。
2台のアンプを機械的に結合させステレオアンプとする発想で、
これは1970年代後半に、デンオンから出たPOA1001にも採用されているし、
マランツでも、Sm10で、この手法を受け継ぎ、復活させている。

PAM2以前にも、電気的に、左右チャンネルを徹底的に分離させたアンプは、マークレビンソンのML6L、
スタックスのCA-Xがあるが、それぞれ手法は異る。

ML6Lは、機械的な結合もなく、完全に、アンプ部も電源部も左右チャンネルで独立している。
CA-Xは、アンプ部と電源部をわけた2シャーシー構成で、それぞれ中央に仕切り板を設け、
アンプ部も電源部も、左右チャンネルで対称配置になっている。
電源コードは、ML6LとPAM2は2本だが、CA-Xは1本。

Date: 8月 3rd, 2009
Cate: the Reviewの入力

the Review (in the past) を入力していて……(その17・補足)

この項の(その17)に、25years_agoさんが、コメントしてくださった。
25years_agoさん、ありがとうございます。

さっそくGoogle Patentsで、検索してみる。
ネルソン・パスの特許を読むことができる。

このなかの、CONSTANT VOLTAGE-CONSTANT CURRENT HIGH FIDELITY AMPLIFIERが、
プロトタイプのステイシス1に採用されたステイシス回路だ。
800Aのバイアス回路の、特許ももちろん公開されている。

ステイシス回路、800Aのバイアス回路については知っていたので、
これらのなかで興味深いのは、ACTIVE LOW FREQUENCY ACOUSTIC RESONANCE SUPPRESSOR である。

ネルソン・パス以外にも、ジョン・カール、ジェームズ・ボンジョルノでも検索してみた。
ジョン・カールの、トランジスターを並列接続使用することでローノイズ化を実現する回路、
ボンジョルノが、The Goldに採用した回路の特許もある。
The Goldに関しては、購入とほぼ同時に回路図も入手していたので、目新しいことはないけれど、
それでも、The Goldの出力段の動作に関しての考察が間違ってなくて、ほっとした。

ただ、この特許は、井上先生からきいた話では、日本の企業に売却しているらしい。

意外だったのは、トム・コランジェロ(正確なフルネームもわかった。Thomas Phillip Michael Colangelo だ)が、
マークレビンソン時代にリボン型スピーカーの、
チェロ時代に、Dクラス・パワーアンプの特許をとっていたこと。

Date: 8月 2nd, 2009
Cate: the Reviewの入力

the Review (in the past) を入力していて……(その22)

クレルも、また、どちらかといえば、パワーアンプを得意としているメーカーだと思うし、
事実、パワーアンプの開発には積極的で、
パワー、規模の異る機種をいつの時代にも用意してシリーズ展開を行なっている。

スレッショルドに比べると、コントロールアンプの、これまで開発された機種数は多いだろうが、
私の個人的印象で、「欲しい」と思ったのは、デビュー作のKSA100とペアになるPAM2だけだった。
もっとも最近のモデルに関しては、聴いていないので、なんともいえないけれど……。

PAM2と、それ以降のコントロールアンプ、たとえばPAM3、PAM5、KRS1、KRS2といった機種のあいだに、
明確な違いがあるのかといえば、むずかしいところだが、
それでもコンストラクションに関しての違いは、はっきりとあると言えよう。

Date: 7月 31st, 2009
Cate: the Reviewの入力

the Review (in the past) を入力していて……(その21)

CDプレーヤーが登場し、単体のフォノイコライザーアンプが市場に現われはじめたときに、
井上先生と山中先生が指摘されていたことがある。

CD登場以前の日本のコントロールアンプは、フォノイコライザーアンプとラインアンプ、
トータルで音を決めているのに対して、
海外製のコントロールアンプ、とくにアメリカ製のコントロールアンプは、
つねにライン入力の音も試聴を重ねて、音決めされているものが大半だということだった。

つまり国産コントロールアンプは、アナログディスク再生では見事な音を聴かせてくれる機種でも、
ライン入力の音は、ちぐはぐさを感じさせるものが少なからずある、ということだ。
一方、海外のコントロールアンプのなかには、フォノ入力の音は、もうひとつ感心できないもでも、
ライン入力の音となると、俄然魅力を発揮するものがある。

もちろんフォノ入力の音、ライン入力の音、どちらも素晴らしいものが優れたコントロールアンプといえるし、
数は少ないながらも存在していた。

ラインアンプの優秀さがひときわ際立っていたのは、AGIの511(b) だろう。
ブラックパネルの511のライン入力の音は聴いたことがないが、
改良モデルの511bでは、聴く機会があった。ブラックパネルの511で受けた、いい印象がそこにあった。

ということは、日本仕様、日本からの要求ということで、
フォノイコライザーアンプのイコライザーカーヴをいじりすぎていたのかもしれない。
そんな気がしてならない。

SL10も、ライン入力の音を聴く機会があったら……、と、いまは思うしかできない。

Date: 7月 31st, 2009
Cate: the Reviewの入力

the Review (in the past) を入力していて……(その20)

スレッショルドの800Aは、マークレビンソンからML2Lが出るまで、
LNP2Lと組み合わせるのが、憧れだった。
それだけにスレッショルドには、強い関心をもっていたし、そのコントロールアンプにも期待していた。

NS10は聴いたことがないのでなんともいえないが、
SL10は、こちらの期待が一方的に大きくなりすぎていただけに、
何を聴いても、もどかしさを感じてしまう音に、正直、がっかりした記憶がある。

スレッショルドは、というよりも、ネルソン・パスはパワーアンプを得意とするエンジニアだと、
このときから思いこんでしまっている。
ただ、いま思うのは、CDプレーヤーで、ラインアンプの音のみを聴いてみたら、
すこし印象が変化するかもしれないということだ。

SL10を聴いたときは、アナログディスクのみで、
いうまでもないことだがフォノイコライザーアンプ、ラインアンプの両方を通った音を聴いている。

Date: 7月 31st, 2009
Cate: the Reviewの入力

the Review (in the past) を入力していて……(その19)

スレッショルドは、1976年から80年までの4年間に開発したパワーアンプは、
800A、400A、4000 (Custom)、CAS1、ステイシス1、2、3である。
コントロールアンプは、というと、前述したように、NS10とSL10の2機種のみ。

400Aは、800Aのパワー(200Wから100W)、規模をすこし縮小したモデルであり、シリーズ機種と呼べるし、
800Aにかわるパワーアンプとして登場した4000は、すぐに全段カスコード化されて型番末尾にCustomがつき、
同時にやはりカスコード回路を全面的に採用し、NS10のシャーシーの厚みをすこし増した程度の大きさで、
75W+75Wの出力をもつCAS1を出すなどしている。

ステイシス・シリーズのあとに出たSシリーズ、SAシリーズも、パワーアンプはシリーズ展開しているのに対し、
コントロールアンプは、一時期、2機種出していたことをもあったが、
アンプ開発への力の入れ方に、コントロールアンプとパワーアンプとでは、
温度差、といったものを、どうしても感じてしまう。

ステイシス1とペアとなるコントロールアンプを出していれば、違う見方もできただろうが、
ネルソン・パスの関心は、少なくとも、スレッショルド時代は、コントロールアンプよりも、
パワーアンプのほうにつよく向いていたと言っても差し支えないだろう。

それにスレッショルドを退き、パス・ラボラトリーズから、1992年に出した最初のアンプ、
Aleph 0もまたパワーアンプである。

Date: 7月 29th, 2009
Cate: the Reviewの入力

the Review (in the past) を入力していて……(その18)

スレッショルドの話に戻ろう。
ステイシス1のプロトタイプにいっしょに発表されていた、
NS10とSL10の2段重ねのコントロールアンプに相当するものは、ついに現われなかった。

ステイシス・シリーズとペアとなるコントロールアンプは、SL10ということになる。
SL10は、545,000円。ステイシス3が760,000円、ステイシス2は1,138,000円、
そしてステイシス1は、3,580,000円(ペア)だから、
価格の上では、SL10jとバランスがとれるのは、ステイシス3ということになる。

しかし、前述したように、SL10と同じツマミを、
ステイシス1の、メーターの動作切替スイッチに使っている。
ステイシス2と3のフロントパネルにあるスイッチは、電源スイッチのみ。
フロントパネルの印象では、SL10とステイシス1がペアとなるのだが、価格的なちぐはぐさだけでなく、
規模もそうだし、アンプそのもののクォリティにも、ちぐはぐな印象がある。