瀬川冬樹氏のこと(こういう面も……)
瀬川先生がずっと以前はアンプ作りをされていたことは何度か書いているし、
古くからのオーディオマニアの方ならば、ラジオ技術に掲載された記事を読まれた方もいるだろう。
ラジオ技術の5月号には、瀬川先生のアンプ製作記事が復刻ページとして載っている。
ステレオサウンド 9号の第二特集として「オーディオの難問に答えて」が載っている。
ある読者の、改良したはずが改悪になっていないだろうか、という質問に瀬川先生が答えられている。
この読者は瀬川先生がラジオ技術に発表されたマランツのModel 7タイプのコントロールアンプを使っている。
瀬川先生の回答はこうだ。
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まずイコライザー回路ですが(「ラジオ技術」65年1月号)、あるの回路は、ぼくの悪いアマノジャク根性から、実は2〜3の陥し穴を、わざとこしらえてあるのです。たとえばイコライザーの定数は、あの数値ではRIAAカーブに乗りません。あなたは怒るかもしれないが、ぼくにしてみればイコライザーの定数ミスを発見できない人には、あの回路を作ってもどうせうまくいかないという気持(意地悪根性は重ねてお詫びします)があるのです。
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これを読んでの反応はさまざまかもしれない。
この時代、アンプを作るということは、そういうことでもあった。
そういうことがどういうことであるのかは、人それぞれなのかもしれない。