Archive for category ショウ雑感

Date: 11月 28th, 2019
Cate: ショウ雑感

2019年ショウ雑感(その23)

オーディオショウに行く楽しみの一つに、
未知のディスクとの出逢いがある、という人は多いはずだ。

今年のOTOTENでは、アンジェリーク・キジョー(Angélique Kidjo)と出逢えた。
インターナショナルオーディオショウは、残念ながらなかった。

たまたま私が行ったブースではなかった、というだけのことかもしれない。
他のブース、行って聴いたブースでも、違う時間帯であれば、
また違っていた可能性はあるけれど、今回はなかったのは変えようがない。

そういえば、今年のインターナショナルオーディオショウでは、
ベルリオーズの幻想交響曲が、いくつかのブースで鳴っていた。
指揮者はそれぞれ違っていた。

去年のインターナショナルオーディオショウでも、幻想交響曲を聴いている。
これもまた今年聴いた演奏とは違う。

幻想交響曲は、また、よく使われるようになっているのか。
正直どうでもいいや、と思いながらも、
幻想交響曲がもつグロテスクさのようなところは、
演奏のせいなのか、録音のせいなのか、
それともそこで鳴っていた音がいちばん影響しているのか、
残念ながら感じとれなかった。

Date: 11月 25th, 2019
Cate: ショウ雑感

2019年ショウ雑感(その22)

この人はうまいな、と感じたのは、
ドイツのオーディオ誌STEREOの編集者(名前は失念した)によるものだった。
太陽インターナショナルのブースで、であった。

この人がうまい、と感じたのは、
おそらく聴き手として、こういう場に参加した経験がきっとあるためではないのか。

それも少なくない回数を体験している人なのではないだろうか。
話ばかりでもダメだし、音を聴かせるだけでもダメ。
話と音を聴いてもらう時間の比率が同じだとしても、
一時間の試聴で、前半30分が話だけ、後半30分を音を聴くだけでは、うまくいかない。

こんなことは体験している人ならば、みなわかっていることである。
なのに、いまでもそんな感じで進めていく人がいる。

そういう人たちは、オーディオショウに来場者として参加したことがないのか──、
そう思ってしまう。
各ブースで行われる試聴に参加したことがないのだろうか。

それとも参加したことが何度もあっても、
退屈と感じたらすぐに次のブースに移っていく人なのか。

オーディオショウでの、こういう場を、プレゼンテーションとは考えていないのか。

Date: 11月 23rd, 2019
Cate: ショウ雑感

2019年ショウ雑感(その21)

電車に乗ると、非常に混んでいてもバックパック(リュック)を背負ったままの人がいる。
アナウンスでは前に抱えてください、とくり返していても、
背負ったままの人は、必ずいる。

今年のインターナショナルオーディオショウで初めて感じたのは、
大きなバックパックを背負ったままの人が少なからずいて、
混んでいるブースでも、周りの人をまったく気にせずに体の向きを変えたり、
後ずさりしている人が目についただけでなく、ぶつかりそうになった。

ほんとうに、こういう人たちは、
体の厚みがバックパックの分だけ後に増していることをまったく意識していないようである。

誰かにあたれば気づきそうなのに、まったく気にする様子もうかがえない。
来年、再来年……とこういう人たちが増えてくるようになると、
インターナショナルオーディオショウの会場でも、
バックパックは前に抱えてください、とアナウンスされるようになるのかもしれない。

Date: 11月 22nd, 2019
Cate: ショウ雑感

2019年ショウ雑感(その20)

FMアコースティックスについて続きを書いていくと、
それだけで終ってしまいそうなので、ここまでとするが、
それでも明日明後日、インターナショナルオーディオショウに行かれる方は、
FMアコースティックスで鳴らされるファインオーディオのF1-12の音を聴いてほしい。

今年聴く機会のない人は、来年がある。
来年もアクシスのブースでは、FMアコースティックスはあるはずだし、
ファインオーディオもあるはずだから、来年も聴けるはずだ。

とにかくFMアコースティックスほど、低音の表現力に秀でたアンプは、
いまのところ存在しないのかもしれない。

あと意外だったのが、タイムロードのブースだった。
別項「オーディオ・システムのデザインの中心」で、
タイムロードのオリジナルブランドのスピーカー、Alinaのデザインについて書いている。

デザインは酷評したが、音に関しては何も書いていない。
聴いていないのだから。

今日、タイムロードのブースに入ったら、ちょうどAlinaが鳴っていた。
デザインとは対照的に、音には好印象を持つことができた。

青色のAlinaが鳴っていた。
別項で、ドラゴンクエストのスライムだ、と書いた青色のAlinaであるだけに、
ジョーダン・ワッツのflagonへのオマージュとリスペクト、
デザインや機能に意味合いを持った製品開発、
そういったことを謳っていなければ、愛嬌ある製品(形)に見えてくる。

タイムロードの部費酢に入ったときから、
既に椅子に座って聴いている人たちの雰囲気が、聴き入っているという感じがあった。

Date: 11月 22nd, 2019
Cate: ショウ雑感

2019年ショウ雑感(その19)

会場の国際フォーラムに着いたのは12時30分ごろだった。
19時までいられればよかったのだが、
歯の治療の予約をしていたので、18時までしかいられず、
今回も素通りせざるをえなかったブースがある。
すべてのブースをまわったわけではない。

なので、あくまでも私が入ったブースということになるが、
今年聴いたなかで、印象深かったのは、アクシスで鳴っていたファインオーディオのF1-12だ。

昨年もファインオーディオのスピーカーには好印象を持っていた。
昨年鳴っていたのは、F1-10で、今年のモデルはユニット口径が12インチにアップしている。

しかも今年は、FMアコースティックスでの音を聴けた。
他のアンプで鳴らされた音もいいのだが、FMアコースティックスの音を聴いた後では、
色褪てしまうほどに、魅力的に鳴っていた。

アクシスのスタッフの方がいわれていたけれど、
FMアコースティックスの製品は、毎年値上げされる。十年でほぼ二倍になる。

確かにそうである。
このあいだ、ひさしぶりにFMアコースティックスの価格を確認してみたら、
ここまで高くなっていたのか、と驚いた。
ほんとうに高い。あえて価格は書かないでおく。

音は空気の振動である。
空気にも質量はあるというものの、我々は空気の重さを感じることはほとんどない。

けれど音楽という空気は、重量ある楽器から生み出されたものである。
その楽器を弾く人には体重がある。

そういうところから音は出てくる、ということを感じる音なのだ。
ピアノの音は、それが300kgほどの重量をもつグランドピアノから発せられていることを感じる。
演奏者にも体重があることを感じさせる。

かといって、音そのものが重々しいわけではない。
FMアコースティックスの音を聴いたあと、
アクシスのブースのほかのアンプ、
ほかのブースでの音を聴くと、そこに肉体の不在を感じてしまうほどに、
FMアコースティックスの音には、肉体がある、ボディがある。

Date: 11月 22nd, 2019
Cate: ショウ雑感

2019年ショウ雑感(その18)

今日から三日間、インターナショナルオーディオショウの開催。
東京は冷たい雨。土日で天気が回復するなら今日はやめようかな、と思っていたけれど、
天気の回復は遅くなるようなので、初日の今日、行ってきた。

今年は、初の試み(のはず)として、
ニュ状パスカードの裏にスクラッチクジがついている。
当選すれば、各ブースでノベルティグッズがもらえる。
600名に当る、とのこと。

こういうクジ運はまったくない私なのに、
アブサートロンのB賞が当った。
とはいっても、ノベルティグッズの類なのか、とほとんど期待はしていなかった。
アブサートロンのブースで手渡されたのは、小さな袋に入ったモノだった。

パッと見て、何が入っているのかはわからなかった。
会場出る時になって、そうだ、と中身を確認すると、
アブサートロンが輸入しているストレートワイヤーのY字ラグGLS-Y8だった。
定価5,800円である。

これでB賞なのか、と思った。意外にいいモノをいただけた、と思っている。
A賞はなんだったのか、と想像もした。
実用的なモノを貰えて、こういう企画は、来年以降も続けてほしい、と思うと同時に、
当選した人は、できるだけ、SNSなどで、何が貰えたのか公開したらいいのではないか。

そんなモノを目当てに……、とか、そんなこと書かなくても……、
なんていう人もいるけれど、
これが少しでも入場者アップにつながっていき、盛り上ってくれればいいことである。

Date: 11月 18th, 2019
Cate: ショウ雑感

2019年ショウ雑感(その17)

今週金曜日(22日)から三日間、インターナショナルオーディオショウである。
今年、多くの人の注目を集めるのは、
テクダスのAir Force Zeroと断言してもいい。

生産台数の少ない限定であるだけでなく、
その重量を考えても、来年のオーディオショウで見られる(聴ける)とはかぎらない。
今年が最初で最後の機会になる可能性はある。

私が関心があるのは、roonのNucleusを使用するブースがどれだけなのか、がまずある。
それからMQAでの音出しを行うところがどれだけあるのかも、そうだ。

(その11)で書いているように、
今年は、各ブースのスピーカーで目立つのはフォーカルなのか、
それとも他のブランドなのか、も興味がある。

オーディオショウなんて、いい音が聴けるわけでもないし、
人は多いし……、
文句ばかり言って行かない人も少なくないようだ。
知人にも、一人いる。

いいたくなる気持はわかるけれど、
行けばやはり楽しいところは、必ずある。
通ぶっても、行かずに文句ばかりたれているのが最悪なのは皆わかっているはず。

Date: 11月 15th, 2019
Cate: ショウ雑感

2019年ショウ雑感(その16)

OTOTEN、ヘッドフォン祭、インターナショナルオーディオショウ、
これらの催しに行って毎回思うのは、
ネットの記事にしても、オーディオ雑誌の記事にしても、
そこで行われているイベントの内容を伝えていることは、ほとんどない──、
そのことにいつも不満がある。

ここのブースには、こういう製品がありました──、
そんな記事は、インターネットの記事で十分だ、と思う。
むしろオーディオ雑誌は写真の点数も少なかったり、モノクロだったりするのに、
インターネットの記事だとカラーで点数も多かったりする。

それにこういう製品がありました──、
それらの製品は遅かれ早かれ新製品紹介のページに登場してくる。

会場に来られなかった人に向けての記事であってほしい、といつも思う。
来られなかった人は、どういうことう知りたいのか、
そこへの想像力がほとんど感じられない記事ばかり、
毎年、どのオーディオ雑誌でもそうだ。

今回のヘッドフォン祭でいえば、
roonのイベントは、来られなかった人にきちんと伝えたい、と思うだけの内容だった。
とはいえ、計八時間のイベントだっただけに、
すべてを伝えるのは文章だけでは無理なところもある。

会場となったブースにはビデオカメラがあった。
記録しているのはわかっていた。
でも公開してくれるとはまったく思っていなかった。

主催のフジヤエービックのブログに、YouTubeで公開した、とある。

やっとこういうことをやってくれる主催者が現れてくれた。

Date: 11月 3rd, 2019
Cate: ショウ雑感

2019年ショウ雑感(その15)

今日(3日)もヘッドフォン祭に行ってきた。
朝10時30分の会場から、17時30分までいた。
ずっとRoonのイベントをきくためである。

こんなに長い時間、ヘッドフォン祭の会場にいたことはなかった。
たいてい二時間ほどで帰っていた。

といっても会場に長くはいたけれど、ほとんど15階のRoonのイベントが行われる部屋にいたので、
会場をじっくり見ていたとはいえない。

それでも感じたのは、
ヘッドフォン/イヤフォンのブームも一段落したのか、ということだ。
あきらかに来場者は少なくなっている。

初めてヘッドフォン祭に行った時に感じた猥雑な活気は、
まったくないとはいわないまでも、ずいぶん希薄になったと感じた。

来場者に関しては波もあるとも思う。
今回は少なかったはずだが、次回はどうなるかはなんともいえない。
盛り返すかもしれない。

私として、今回のRoonのイベントのようなことを、次回以降も企画してほしい、と思っている。
昨日が二時間が二回、今日は一時間が四回、
計八時間、Roonについて知ることができた。

こういう企画は、インターナショナルオーディオショウにはない。
残念ながらない、と書いておく。

今回のRoonの企画の主催は、iFi Audioの輸入元のトップウイングと音元出版である。
10月末に音元出版から出たNet Audio最新号では、
Roonの記事が載っている。
そのへんの関係もあるのだろうが、音元出版には、
ステレオサウンドには感じられない積極性がある。

その積極性には、ここでははっきりと書かないことも含まれているが、
それでも、今回の企画をやってくれたことは高く評価したい。

Date: 11月 2nd, 2019
Cate: ショウ雑感

2019年ショウ雑感(その14)

Roon LabsからはCEOのEnno Vandermeer氏、COOのDanny Dulai氏が来日されていた。

Danny Dulai氏は開発者である。
とはいえ、これまでのハードウェアのエンジニア(開発者)とは、
そうとうにタイプの違う人である。

耳にはピアス。
ピアスといっても、かわいいものではなく、
異物挿入といったほうがいいくらいのすごさである。
耳だけではない、手の甲もそうである。

けれど、Danny Dulai氏の話は、誠実である。
こういう人がRoonを開発しているのか──、
人によって受け止め方は違ってこようが、私はいい方に受け止めている。

Danny Dulai氏が、
Roonはオーディオのスイスだ、と言った。

スイスのように中立である、という意味である。
Roonは、PCM、DSD、MQAのどれかに片寄ることなく、
すべてを平等に扱えるように開発している、ということだ。

Roonのユーザーそれぞれが、
オレはMQAは絶対に認めない──、
DSDこそが最高のフォーマットだ──、
PCMのハイレゾこそが──、
などと主張するのは自由だし、勝手でもあるが、
Roonはすべてのフォーマットを、それらがもつクォリティを損うことなく扱う。

Roonは、このフォーマットこそがベストです、ということは主張しない。

それにしても、MQA否定の人は、みっともないのか、と今日も感じた。
今日、何があったのかは詳しくは書かないが、
MQAのことが話題になると、否定こそが正義だ、とばかりに声をあげる。

MQAを個人的に否定するのは勝手にやればいい。
自分でブログでもつくって、そこでやればいいことであって、
今日のような場でやることではない。

それにRoonの人たちも、MQAに誠実に対応した、ということを説明されているだけで、
MQAこそがベストだ、といわれていたのではない。

Date: 11月 2nd, 2019
Cate: ショウ雑感

2019年ショウ雑感(余談)

これまでずっとヘッドフォン祭を、「へっどふぉんまつり」と言っていた。
私の周りの人たちも、そう言っていた。

今日、会場に行きエレベーターを待っていたところ、
スタッフの一人が、
「ヘッドフォン祭(さい)にお越しの方はこちらに一列にお並びください」
と言っていた。

ヘッドフォン祭は、「へっどふぉんさい」だということに今回初めて気がついた。

Date: 11月 2nd, 2019
Cate: ショウ雑感

2019年ショウ雑感(その13)

PCオーディオもネットワークオーディオも、
ステレオサウンドがいっているデジタルファイル・ミュージックも、
どれもピンとこない。

だから別項で「Digital Integration」を書いている。
なので私のなかでは、デジタルインテグレーションオーディオということになるわけだが、
別にこれが広まるとは思っていない。

あくまでも私のなかでのものであればいい。

このデジタルインテグレーションオーディオに近い、と思うのが、
Roonである。

私はRoonを推す。
こんなことを書くと、
いや、○○というアプリケーションの方が音がいい、という人があらわれる。

そうなのかもしれない。
Roonよりも、音がいいアプリケーションはあっても不思議ではない。
凝る人は、タグがあると音が悪くなる、という。

そうなのかもしれない。
タグを削除して聴きたい人は聴けばいい。

私だって、この一曲だけ、ということであれば、タグを削除するかもしれない。
それでも日常的に聴くのであれば、そうではない。

そういうことを含めて、Roonはデジタルインテグレーションに近い。

そのRoonを開発した人の話を、今回のヘッドフォン祭ではじっくりきける。
こういう機会はそうそうない。

だから明日も行き、三回ともきく。

Date: 11月 2nd, 2019
Cate: ショウ雑感

2019年ショウ雑感(その12)

ヘッドフォン祭に行ってきた。
毎回、これといった目的はなく行っていた。
でも今回は違う。

15Fの奥のブースにて、Roonのイベントが行われる。
今日(2日)が、「Roonとは何か?」と「Roonを使うメリットって何?」で、
明日(3日)が、「Roon Nucleusってなんだ?」、
「テクニカルプレゼンテーション part 1 ―なぜここまで便利なの?」、
「テクニカルプレゼンテーション part 2 ―Roonのサウンドの秘密」、
「Roonの現地点とこれからを聞く!」というテーマで行われる。

とにかく今日行ってきた。
計四時間Roonの話をきいてきた。
明日も行くことに決めた。

オーディオマニアのなかには、
あくまでもパッケージメディアで音楽を聴くことにこだわる人がいる。
それはそれで、その人のスタイルなのだから、
第三者がとやかくいうことではない。

たとえばステレオサウンドの筆者では、小野寺弘滋氏がそうだと思っている。
試聴ディスク欄を見ても、小野寺弘滋はLP、CD、SACDと、
とにかくディスクで聴くことにこだわりがあるように感じる。

その気持はわからないではない。
パッケージメディアではなく、そうではないメディアで音楽を聴くことを、
どういうのか。

PCオーディオが一般的なようだが、
ネットワークオーディオもよく使われている。
どちらにしても、語感がよくないのでは、私は使いたくないし、
別項でも書いているようにWindowsでは聴きたくない、という気持はある。

それでも音を聴くと、無視できない。
Windowsでは聴きたくないが、それ以外の環境ではなんとかしたい。

それにMQAの音に魅了されているのだから、
どうしても、なんらかの方法でパッケージメディアに頼らない再生環境が必要となる。

そうなると、Ronnが第一候補となる。

Date: 7月 11th, 2019
Cate: ショウ雑感

2019年ショウ雑感(その11)

オーディオショウに出展するメーカー、輸入元が、
スピーカーを必ずしも取り扱っているとは限らない。

スピーカーを開発していないメーカー、
輸入しているブランドにスピーカーがない輸入元がある。

そういう出展社は、他社製、もくしは他社が輸入しているスピーカーを借りてくることになる。

ずっと以前だと、JBLのスタジオモニターが、
いくつかの出展社のブースで鳴っていた。

いつのころからかJBLから、それはB&Wの800シリーズへとうつり変っていった。
数年前まで、ここもB&W、あそこもB&Wのスピーカーという感じだった。

今年のOTOTENでは、また流れが変りつつあるのか、と思った。
フォーカルのスピーカーが、ここのブース、あそこのブースでも鳴っていたからだ。

全ブースに入ったわけでもないし、
それぞれのブースのスピーカーが何だったかの目もしていたわけでもない、
フォーカルのスピーカーが、どことどこのブースで鳴っていたのかも数えていない。

それでもフォーカルのスピーカーをよく見たな、という印象が残っている。
今秋のインターナショナルオーディオショウでは、どうなのか、
ちょっと関心がある。

Date: 7月 1st, 2019
Cate: ショウ雑感

2019年ショウ雑感(その10)

OTOTENでもインターナショナルオーディオショウでも、
各ブースの入口の側にはテーブルがあり、
そこにはカタログ、ブースによってはアメが置いてある。

今年のOTOTENでのソニーのブースの、そのテーブルにあったのは、
ウォークマンだった。
初代(TPS-L2)と二代目(WM2)があった。

どちらも約四十年前の製品、
しかも持ち運ぶ製品にも関らず、そうとうに程度のいいモノだった。

ソニーで保管していたものなのだろうか。
そんな感じのする二台のウォークマンだった。

20代くらいの来場者が、ちょっとばかり興奮気味に、ソニーのスタッフに、
写真、撮っていいですか、ときいていた。

彼の年代にとって、実機を見るのも触るのも初めてなのかもしれない。
しかも新品同様といえるウォークマンである。

興奮気味なのも無理ない。

WM2の方にはテープも入っていて、再生状態だった。
おそらくソニーの関係者と思われる女性(30前後か)が、
スタッフの男性に、聴いていい? と訊ねていた。

ヘッドフォンで聴きながら、「80年代の音ですね」と感想を述べていた。

そうか、80年代の音なのか、と私は、そのフレーズをくり返していた。

TPS-L2は1979年、WM2は1981年発売だから、
WM2の音を聴いて「80年代の音ですね」は間違ってはいない。

それでも、30前後に見える女性が、
何をもってして「80年代の音ですね」といった、その理由は知りたいところ。