賞からの離脱(その30)
ベストバイ特集のステレオサウンド 35号は売れた。
にも関わらず一年後のステレオサウンド 39号はベストバイの特集ではなく、カートリッジ123機種の総テスト。
ベストバイ特集の二回目は43号。丸二年経過している。
この43号が、私にとってははじめてのベストバイのステレオサウンドだった。
三回目のベストバイは47号、次は51号、55号、59号……、と定期的に行われていく。
47号から、星の数による点数がつくようになった。
51号から価格帯による区分けが始まった。
35号は1975年6月発売の号だから、すでに40年近く続いている企画なだけに、
ずっと同じやり方ということはなく、変化してきている。
こうやってベストバイという特集をふり返ると、
読み応えとは何だろう、と考える。
私個人にとってもっとも読み応えのあったベストバイは43号である。
いまは12月に発売される号で、ステレオサウンド・グランプリといっしょに掲載されているが、
読み応えは、私は感じない。
ここでいう読み応えとは、単なる文字の数の多さではない。