Date: 8月 7th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) –第八夜

audio wednesday (next decade) – 第七夜は、9月4日である。
時間、場所はこれまでと同じ。

すでに告知しているとおり、今回と同じく757Aレプリカを鳴らす。

今日のaudio wednesdayでは2ウェイのまま鳴らした。
5月の会ではエラックのリボン型トゥイーターを足しての3ウェイだったが、
今回はあえて2ウェイのまま。

9月の会で、トゥイーターを足して3ウェイとする。
候補は、JBLの2405とデッカのリボン型である。
どちらも野口晴哉氏のコレクションだ。

デッカは四本のストックがある。
試してみたいことがある。

Date: 8月 6th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第七夜(いよいよ明日)

明日(8月7日)のaudio wednesdayは、これまでとは少し趣向を変えて行う。
オーディオ寄りに振った、いわば試聴会とも言える。

四谷三丁目の喫茶茶会記でやってきたことを、今回はやってみる。
これまでに鳴らしてきたスピーカーの一つ、ウェスターン・エレクトリックの757A、
そのレプリカを仕上げていこうというのが、8月と9月の会のテーマとなる。

5月の会ではセッティングし終えた音を聴いてもらったが、
今回はレプリカという自作スピーカーだからこそできるあれこれを試して、
その音の変化によって音楽表現がどう変化していくのか、そのことを聴いてもらいたい。

オーディオはどんな細かいことであっても、何かを変えれば音は変っていく。
だから、そのことに拘泥してしまうと、
泥沼に知らず知らずのうちに入っていくことにもなる。
その泥沼を楽しむ人もいるが、
オーディオの本当の楽しさは、そういうところにはない。

そのことを少しでも感じ取ってもらえたら、と考えている。

今回は、久しぶりにTIDALではなくCDを鳴らす。

Date: 8月 5th, 2024
Cate: 老い

老いとオーディオ(なにに呼ばれているのか・その5)

あと二年で五味先生の「五味オーディオ教室」と出逢って五十年になる。
長いと思うだけでなく、
出逢った日のことを鮮明におもい出せるから、
あっという間だったとも感じているところもある。

なにに呼ばれてここまで来たのか、そしてどこまで行くのか。

そんなことを考えるようになってきたのは、齢をとってきたからなのか。

そうなのだろうか。
私と同じくらい、もっと長くオーディオをやってきた人は、多くいる。
その人たちは、なにに呼ばれてきたのか──、
考えてもいないし、感じてもいないのかもしれない。

いまの私の感覚では、そんなふうに感じも考えもしないことは、オーディオにおける老いではなく、
老いによる劣化なのではないだろうか。

これから、そういう劣化していく人を見ていくことになるのか。

Date: 8月 4th, 2024
Cate: ショウ雑感

2024年ショウ雑感(その13)

(その11)で書いているように、六階の端から順番にだったから、
最初に入ったのは太陽インターナショナルで、
土方久明氏の時間帯だった。

ヘッドフォン祭では、若い来場者数人に囲まれて談笑している土方久明氏を見かけたことはあるが、
土方久明氏が話しているのを聞くのは初めてだった。

ここでも小さな驚きがあった。
土方久明氏の話はそつがないというか、
うまいな、と感心しながら聞いていた。

土方久明氏は、いま売れっ子といっていいだろう。
オーディオ雑誌、ウェブ記事、どちらでもその名前を目にする。

インターナショナルオーディオショウでの話し方を聞いていると、
その売れっ子ぶりに納得がいく。

ヘッドフォン祭での囲まれているところからも、
若い人たちからの支持もけっこうあるのだろう。

別項で、オーディオ評論家(職能家)、オーディオ評論家(商売屋)について書いている。

土方久明氏をオーディオ評論家(職能家)とは思わないし言わないが、
オーディオ評論家(商売屋)とも言わない。
オーディオ評論家(仕事人)という感じを受けた。

Date: 8月 4th, 2024
Cate: ショウ雑感

2024年ショウ雑感(その12)

私がナスペックのブースに入った時は、
ちょうどジブリの音楽というテーマの時間帯だった。

ジブリの音楽を続けて聴くのは、初めてだった。
「風の谷のナウシカ」までは映画館で観ていたけれど、
それ以降は映画館でも、それ以外でも観ていない。
なので初めて聴く曲ばかり。

それで去年の音とどう比較するのか、と言われそうだが、
音楽の表情が、歌の濃やかな表情が、さりげなくだが、よく出ていた。

耳を澄まして聴けば、こんなふうに歌っているのか、と、おっと思ったりしたし、
歌のあるところでは歌手の力量もはっきり出していたので、
おやっお感じたりもした。

少なくとも去年の音は、そんなふうには感じなかったから、
やはり今年の音は、
プレイバックデザインズのパワーアンプがあってのものといえよう。

「大男総身に知恵が回りかね」、
プレイバックデザインズのパワーアンプを初めて見た人は、
そう思うかもしれないが、
少なくとも今回聴いた印象では、そんなふうにはまったく感じなかったし、
だからといってスピーカーを手玉に取って鳴らすという感じもなく、
好印象だけが残った。

そのこともあって、今年のインターナショナルオーディオショウで、
ナスペックのブースはいい印象だけが残っている。

Date: 8月 3rd, 2024
Cate: 「オーディオ」考

「音は人なり」を、いまいちど考える(その22)

数ヵ月前に、ある人がセッティング、チューニングした音を聴いた。
屋上屋を架すとしか言いようのないセッティングだった。

肝心なのは音である。
そういうセッティングでも、出てきた音が素晴らしいのであれば、
または説得力に満ちた音であれば、
そのために必要だったことと受け止めるしかないわけだが、
その時の音は、お世辞にもそうとは言えなかったから、
屋上屋を架した、としか言いようがなかった。

どこかいびつで異様な感じが常に付き纏っていた。
そういう音を迫力があると評価するする人がいるかもしれないが、
私の耳には、どんなディスク(録音)をかけても、ずっと同じ感じ(一本調子)でしか鳴らない音、
そんなふうにしか、感じられなかった。

これも、ある意味、音は人なりだな、思うとともに、
別の人が出していた音を思い出してもいた。

Date: 8月 2nd, 2024
Cate: 日本のオーディオ

日本のオーディオ、これから(取り残されてきているのか・その7)

一週間前はインターナショナルオーディオショウだった。
ブースをまわっていろんな音を聴いていると、ふと、思い出す音もある。

もう一度、聴きたいな、と思う音だったりもする。
今回思い出していたのは、けっこう前にノアのブースでの音だった。

スピーカーはソナス・ファベールのCremonaだった。
アンプは、当時のノアが扱っていたVTLの管球式だった。

無骨な外観の、このアンプはソナス・ファベールのスピーカーの仕上げに相応しいとは言えない。
それでも鳴っていた音は、相応しかった。

私の耳には、それまで聴いたソナス・ファベールの音よりも、
ずっとずっと魅力的だった。

また聴きたいと思ったけれど、聴く機会はなかったし、
VTLの取り扱いをノアはやめてしまった。
VTLのアンプは、あまり売れなかったのか。

正直、私もこの時の音を聴くまでは、
VTLの音を聴いてみたいとは思ってなかった。
偶然のタイミングで聴けたことを、いまでも好運だったと思うほどだ。

VTLを、その後、どこも取り扱っていない。
VTLは健在だ。

ずっとこのままなのだろうか。

Date: 8月 1st, 2024
Cate: Digital Integration

Digital Integration(roonのこと・その6)

今日、ある人とLANケーブルについて話していた。
共通の意見としてあがったのが、
LANケーブルは細い方が全般的に好ましい傾向がある、だった。

市販されている全てのLANケーブルを試聴したわけではないから、
あくまでも傾向としてではあるが、少なくとも癖は少ないといえると感じている。

LANケーブルはコネクターの形状で、挿せる向きが決まってしまう。
ケーブルの長さ、機器の設置条件によっては、ケーブルに余計なテンションが加わることがままある。
そういう場合、細い方が影響は受けにくいようだし、
そのこととも好ましい傾向があることは関係しているのだろう。

太いLANケーブルはすべて癖がある、といいたいわけではなく、
あくまでも細い方が癖が少ない傾向がある、ということ。

Date: 7月 31st, 2024
Cate: アナログディスク再生

アナログプレーヤーのセッティングの実例と老い(その16)

今年のインターナショナルオーディオショウでも、
多くのブースでアナログディスクをかけていた。

けれど、そのレベルはバラバラだった。
そんなディスクのかけ方をするのか、と思ったところは一つではない。
ヒゲを明らかにつけているかけ方をしているところもあった。

個人のディスクで、持ち主がヒゲを気にしないのであれば、
そんなぞんざいな扱いでもいい、とは思わない。

誰かの目の前でかけていることが、すっぽり頭の中から抜け落ちているのか。
ヒゲなんてことをもともと知らないのか。

オーディオショウには多くの人が来る。
アナログディスク再生に関心を持ち始めた人もいる。
そういう人の手本になりたいとは、まったく思わないのだろうか。

ぞんざいな扱いしかできない人は、
おそらく周りに手本となる人がいなかったのだろう。
だとしたら──。

オーディオショウの出展社のスタッフは、オーディオ業界の人たちである。
いわばオーディオのプロの人たちのはずだ。

なのに、周りに手本となる人がいないのだとしたら……。

Date: 7月 30th, 2024
Cate: High Resolution

TIDALという書店(その26)

roonとTIDALの組合せは、実に快適。
いくつもの項目で検索できるのは、使う前からわかっていたことだが、
実際使うと、よく出来ていると感心する。

それでも一つだけ不満というよりも要望がある。
roonはレーベルでの検索もできるのだが、自分のライブラリーの中だけである。

そういう仕様にした理由はわかる。
メジャーレーベルの名称で検索したら、大変な数の結果を表示することになる。

けれど私が求めているのはマイナーレーベルの検索である。
このくらいなら検索結果もそれほどの数にはならないはずだが、
それではメジャーレーベルとマイナーレーベル、どこに線引きするのか、
そういう問題が生じるだろうから、おそらく将来にわたって、
TIDAL全体からのレーベル検索は、無理であろう。

それでも一番期待しているのが、レーベル検索である。

Date: 7月 29th, 2024
Cate: 「オーディオ」考

オーディオの罠(その11)

自己模倣というオーディオの罠は、案外心地よいのかもしれない、
そう考えるのは、自己模倣の音は、自己肯定の音でもあるからだろう。

以前、別項で自己肯定の音、自己否定の音ということを少しだけ触れた。

ならば自己模倣の音があるならば、他者模倣の音もあるはずだ。

Date: 7月 28th, 2024
Cate: ショウ雑感

2024年ショウ雑感(その11)

タイムロードのブースに行けば、ジャーマン・フィジックスが聴ける、という頃は、
会場の国際フォーラムに着いたら、四階の端っこ、
タイムロードのブースを目指していた。

ジャーマン・フィジックスの輸入元がゼファンになってからは、
それをやったところで、ゼファンにとってはいくつもあるスピーカーブランドの一つでしかない、
そんな感じの扱いで、鳴っている時間に遭遇したことがない。

そのゼファンとさっさと取り扱いをやめている。
それからというもの、インターナショナルオーディオショウは、
まず六階の端から順に各ブースに入るようになった。

今年もそうだった。
六階の端から順になのだが、ブースによっては満員で入れないところもあるし、
今回のように時間にあまり余裕がないときは、
ほんの少しだけ覗くような感じをしたり、
入りもせずに飛ばしてしまうこともする。

実をいうと、今回ナスペックのブースは飛ばして、次のブースに行こうとしていた。
ナスパックのブースの前を通り過ぎようとしていたら、
ドアが開いていて、音が聴こえてくる。

そうだ、もしかするとモニターオーディオのフラッグシップモデルが聴けるかも、
そう思い直して入ったところ、鳴っていたのは、
トールボーイ型のPlatinum 300 3Gだった。

去年聴いたスピーカーだ、今年はいいかな、と思おうとしていたら、
去年の音よりも明らかにいい感じで鳴っている。

最初は後ろで立って聴いていたが、前の席が空いたので座ると、
目の前にあったのは、プレイバックデザインズのSPA8だった。

去年のシステムとの一番の違いは、このパワーアンプの存在のはずだ。

Date: 7月 27th, 2024
Cate: ショウ雑感

2024年ショウ雑感(その10)

今日はインターナショナルオーディオショウに行けなかった。
明日も、無理っぽいので、昨日の五時間ほどの印象て書いている。

今年は、満員で入らなかったブースがいくつかあった。
ヤマハがそうだった。
ノアもそうだった。

その他にも入らないわけではなかったけど、
実質、入れなかったといえるブースもいくつかあった。
そのことに文句をつけたいわけではなく、
活況でいいことだと思っている。

例年通り、意気込みのまったく感じられないブースはいくつかあったけれど、
全体的には去年よりも雰囲気が良くなっているように感じた。

すべてのブースを回ったわけではなくない。
私がまわった中で好印象だったのは、ナスペックだ。

Date: 7月 26th, 2024
Cate: ショウ雑感

2024年ショウ雑感(その9)

インターナショナルオーディオショウに行ってきた。
今年強く感じたことの一つが、以前書いたことの繰り返しである。

いくつものブースで、
「次はこのディスクを鳴らしたいと思います」「かけたいと思います」という人がいる。
今年もいた。むしろ以前より増えているように感じたのは、
私がこの「と思います」が嫌いなだけではないはずだ。

直前のこと、次に行うことに、なぜやりたいと思います、と言うのか。
まだ確定していない、それをやるにはまだ時間がかなり経ってから、
そういうのであれば、「と思います」とするのはわかる。

すべてのブースでそうだったわけではない。
すべてのブースをまわったわけではないから、
他にも「と思います」を使っていなかったところはあると思うが、
ナスペックのスタッフは、「と思います」を使っていなかった。
「次はこれをかけます」、「これを鳴らします」、
それでいいのだから、ナスペックのブースはそれだけで好感が持てる。

Date: 7月 25th, 2024
Cate: 「ネットワーク」

オーディオと「ネットワーク」(SNS = SESか・その21)

不気味の谷。
この言葉を目にするたびに最近おもうのは、
不寛容の谷である。

不気味の谷の横軸は写実性だが、
不寛容の谷の横軸は、利便性ではないだろうか。