電源に関する疑問(その12)
コイルは、電流量を変化させまいとする働きをもつ。
信号が流れていない状態から流そうとすると、それまでの状態を維持しようとする。流さないように働く。
反対に常時信号が流れている状態で、信号をとめてしまうと、やはりそれまでの状態を維持しようとする。
この性質をチョーク・インプット方式は利用している。
同じチョーク使用の電源でも、コンデンサー・インプット方式だとチョークコイルにかかる電圧は、
コンデンサーによって平滑された、ほぼ直流といっていいものだから、働きの違いが生じる。
この項の(その1)で書いたように、電流波形に着目すれば、チョーク・インプット方式を採用したくなる。
ただチョーク・インプット方式が、コイルの、上記の性質を利用しているということは、
動作の際にコイルからパルス性のノイズが発生していることでもある。
このことを考慮すると、チェロのパフォーマンスがチョークコイルを含めて、電源部を別筐体としたのは、
振動面の問題も含めて、うなずけることだ。