Date: 2月 7th, 2013
Cate: オリジナル, 瀬川冬樹
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オリジナルとは(余談・チャートウェルのLS3/5A)

LS3/5Aは、日本ではロジャースの製品が最初に入ってきて、知られることになったことから、
私も最初に聴いたLS3/5Aはロジャースの15Ω型だった。
購入したのも、そうだった。

1970年代の終りごろになって、イギリスのスピーカーメーカー数社からLS3/5Aが登場した。
チャートウェルからも出てきた。

このチャートウェル製のLS3/5Aは数が少ないこともあって、
これをいくつもあるLS3/5Aのなかで、高く評価される人もいる。
私は聴く機会がなかったから、そのことについてはなにもいえない。

実際、どうなのだろうか。
LS3/5Aは、いまでも人気のあるスピーカーシステムだから、
各社LS3/5Aの比較試聴は、オーディオ雑誌の記事にもなったりするが、
試聴している人に関心が個人的にないため、本文を読もうという気にはなれなかった。

まったく違うタイプのスピーカーシステムを集めての試聴であればまだしも、
同じ規格のもとでつくられているLS3/5Aの、製造メーカーによる音の違いは微妙なものであるだけに、
ほんとうに信頼できる人が試聴をしているのであれば、興味深く読むのだが、
そうでない場合には、読む気はおきない。

瀬川先生はチャートウェルのLS3/5Aについて、どういわれているのか。
ステレオサウンド別冊「コンポーネントステレオの世界 ’79」で、わずかではあるがふれられている。
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このふたつのLS3/5Aについて、30万円の予算の組合せのところでは、その違いをあまり細かくふれないで、どちらでもいいといったようないいかたをしたけれど、アンプがこのぐらいのクラスになると聴きこむにつれて違いがはっきりしてくるんです。で、ひとことでいえば、チャートウェルのほうが、全体の音の暖かさ、豊かさというものが、ほんのわずかですけれどもまさっているように思えるので、ぼくはチャートウェルのほうをもってきたわけです。もっともやせ型が好きなひとのなかには、ロジャースのほうが好ましいとお感じになる方もいらっしゃるかもしれませんね。
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「コンポーネントステレオの世界 ’79」は1978年12月にでている。
つまり瀬川先生は、この時点で暖かさ、豊かさを、自分の音に求めはじめられていることがわかる。

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