Date: 1月 20th, 2013
Cate: ケーブル
Tags:

ケーブルはいつごろから、なぜ太くなっていったのか(その10)

もっともJBLのスピーカー端子のみが、
ユニット全体の規模からしてみるとしょぼく感じていたわけではなかった。
アメリカ製のパワーアンプの多くも、1980年代までは同じであった。

マークレビンソンのML2(ML3は専用のコネクターを使用するタイプ)、
スレッショルド、クレルなど、物量投入型の規模の大きなモデルであっても、
スピーカー端子は、太いスピーカーケーブルを末端処理なしではそのまま接続することは無理だった。

だからステレオサウンドの試聴室で使うスピーカーケーブルには、
なんらかの末端処理が必要となる。
できれば末端処理はしないほうが音の面では有利とはいえ、
当時のクレル、スレッショルドなどに採用されていたスピーカー端子(メーカーは失念してしまった)は、
バナナプラグでの接続も可能としていて、そのためもあってプラスとマイナスの端子は接近した状態だった。

末端処理なしでは芯線がどうしてもばらけてしまう。
しかもプラスとマイナス側の端子が近いため、
気をつけないとばらけた芯線がショートしてしまう危険性もある。

このころパワーアンプの試聴でもっとも気をつかったのが、この点だった。
試聴ではすばやく次の機種に交換しなければならないわけだが、
スピーカーケーブルをショートさせてしまうわけにはいかない。
しかもしっかりとケーブルが端子に接続されていなければならない。

いったいいつ太いスピーカーケーブルをしっかりと接続できる端子が、
スピーカー側にもパワーアンプ側にもついてくるようになるのか、
早く、スピーカーケーブルを楽に接続できるようになってほしい、と思っていた時期もある。

パイオニアのExclusive M5の登場は、だから嬉しかった。
ケーブルの挿込み口3.8×14mmと大きかった。
しかも万力式にがっちりとケーブルをくわえこむ。圧着されている、という感じのするものだった。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]