Date: 11月 12th, 2009
Cate: ESL, QUAD
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QUAD・ESLについて(その23)

にもかかわらず、ダンピングファクターの、単に表面的な数値のみにとらわれて、
このパワーアンプはダンピング能力が高い、と誇張表現しているサイトが、どことは名指しはしないが、ある。

いまどき、こんな陳腐な宣伝文句にだまされる人はいないと思っていたら、
意外にそうでもないようなので、書いておく。

ダンピングファクターは、ある周波数における値のみではなく、
注目してほしいのは、ダンピングファクターの周波数特性である。
つまり、そのパワーアンプの出力インピーダンスの周波数特性である。
何Hzまでフラットなのか、その値がどの程度なのかに注意を向けるのであれば、まだしも、
単に数値だけにとらわれていては、そこには何の意味もない。

ダンピングファクターから読み取れるのは、そのパワーアンプの、NFBをかける前の、
いわゆる裸の周波数特性である。

それにどんなに可聴帯域において、高い値のダンピングファクターを維持しているパワーアンプだとしても、
奇数次のネットワークが採用されたスピーカーシステムであれば、
カットオフ周波数以下(もしくは以上)の帯域では、ダンピングファクターが低下する。

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