4343とB310(その22)
1985年12月にSUMOのThe Goldを導入したとき、
鳴らしていたスピーカーシステムはセレッションのSL600だった。
The Goldが届いてまずしたことは分解掃除だった。
そして、いきなりSL600を鳴らすのはコワイと思い、
チェック用として用意していたアルテックの10cm口径のフルレンジユニット405Aを収めたスピーカーで鳴らした。
無事、音が出た。スピーカーが飛ぶこともなかった。
このアルテック405Aで1週間何事もなかったらSL600を安心して接続できるだろう、と決め、
それからの1週間は405Aの(エンクロージュアも凝ったものではない)、
上等とはいえないスピーカーで聴いていた。
10cmのフルレンジで、しかもアルテックのユニットだから低域も高域も伸びてはいない。
ナローレンジな音で、音量はかなりあげられても、
そうすると今度はエンクロージュアの共振が気になってくるような代物だったから、
音量をあげるといっても、それほど大音量で鳴らせたわけではなかった。
このとき感じていたのは、音像定位の安定度の高さ・確かさである。
それは精緻な音像定位といった感じなのではないのだが、
とにかく中央に歌手が気持ちよく定位してくれる。
1週間が経ち、SL600にした。
405Aよりもすべての点で上廻る音が鳴ってくれるものと期待していた……。