Date: 11月 5th, 2009
Cate: サイズ
Tags:

サイズ考(その47)

トランスの原理は、難しいものではない。

1次側の巻線(コイル)に信号が流れると、1次側巻線が捲かれているコア内に磁束の流れが発生する。
この磁束の流れは、2次側の巻線の中を通る。そのとき2次側の巻線に電流を発生させるわけだ。
1次側と2次側の巻線数が同じであれば、入力信号と同じ電圧で出力される。

もし理想のコア、理想の巻線による、理想のトランス(つまりロスがまったくない)が存在するならば、
入力信号のエネルギーと出力信号のエネルギーは、まったく同じである。
実際にはロスがあるため、同じ巻線数でも、まったく同じにはならないわけだが、
少なくとも加えられた信号のもつエネルギー以上のものが出力に現われることは、絶対にありえない。

くり返すが、トランスを通るエネルギーは、入力信号のみなのだから。

エネルギーは電力であり、電力は電圧と電流の積である。
入力信号以外のエネルギーは、どこからも加えられないトランスにおいて、
昇圧比10のトランスがあれば、出力信号の電圧は10倍になるかわりに、出力電流は1/10になる。

つまりトランスはインピーダンス変換を行うことで、昇圧を可能にしている。
言葉をかえれば、信号が増幅されているわけではない、ということだ。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]