私にとってアナログディスク再生とは(デザインのこと・その1)
音がなによりも最優先──,という時期があった。
音が良ければ、それもそうとうに良ければ、少しばかりデザインに不満を感じても、
音を優先していた。
たどかばボンジョルノのつくるアンプのパネルデザインは、
おそらくボンジョルノ自身の手によるものだろう。
GAS時代のアンプにしても、SUMoになってからのThe Power、The Goldにしても、
ユニークなデザインだと思うけれど、優れたデザインかと問われれば、答に困るところもある。
でも、ボンジョルノのつくるアンプの音に惚れているということもあるけれど、
なんとも愛矯のあるデザインといえるし、愛着が湧いてくるデザインでもある。
また古い例でもうしわけないが、DBシステムズのコントロールアンプ。
リアパネルはプリント基板にRCAジャックを直接とりつけたてそのまま使うなど、
音質とともにローコストであることも実現しようとしている、このアンプはフロントパネルは、
ひじょうに素っ気ないものである。高級感というものはどこにもない。
でもDBシステムズのDB1 + DB2は、嫌いではない。
どちらかといえば好きなアンプの範疇にはいってくる。
このアンプが19インチの横幅のコントロールアンプだったら、また違ってくるのだが、
なにしろDB1はのサイズは小さい。ここまで割り切ってつくられたアンプだと、これもまた愛着が湧く。
コントロールアンプは、アナログプレーヤーとともに、もっとも直接手でふれることの多いオーディオ機器。
パワーアンプのように目の付かないところに設置することは、まずできない。
アナログプレーヤーとともに目のつくところに置く。
それだけにほんとうに気に入ったものを使いたい。
そう思っていても、意外に許容範囲があって、
これだったら、まぁ許せるかな、というコントロールアンプもいくつか(というよりいくつも)ある。
これは許せない、というコントロールアンプもあることにはあるのだが、
それはアナログプレーヤーにおける「これは許せない」よりも、ずっとゆるいものでもある。