期待したいこと
東京新聞のウェブサイトで公開されている記事のなかに、
「ニット技術で絹製血管 細さ1ミリ 血栓防ぐ」というタイトルがあった。
記事によれば、福井の繊維メーカー、福井経網興業が、東京農工大の朝倉哲郎教授と共同で、
絹製人工血管を研究していて、直径1mmの絹製の人工血管の量産に成功した、とある。
特殊な絹を筒状に加工し、その周囲を別の絹でコーティングし血液が漏れない構造で、
それまでのポリエステルなどの人工化合物による人工血管とくらべて伸縮性があり、
血栓ができにくいため極細にでき、さらに蛋白質成分が体内の組織と同化し成長する、とある。
この記事を読んでいて、オーディオマニアの私は、
この絹製の人工血管はそのままオーディオケーブルの被膜に使える、と思っていた。
ケーブルの音は、いうまでもなく芯線の材質、太さ、撚り方などによって変化していくわけだが、
被覆が音に与える影響もまた大きい。
だからいろいな材質が使われてきている。
絶縁特性が優れているから、といって、音がいいとはかぎらない。
絹が使われている例もある。
でも主流は、人工血管と同じく人工化合物である。
被覆も自然素材が音がいい、とは昔からいわれてはいた。
でも使われることはそう多くはない。
けれど、福井経編興業の絹製人工血管が予定どおりの2年後に実用化されれば、
ケーブルの被覆として、すぐにでも採用してほしい、と思う。
実物を目にしたわけでは、もちろんない。
東京新聞の記事を読んだだけである。
それでも、この絹製人工血管がケーブルの被覆として、そうとうに理想的なモノであると確信している。
実用化まであと2年、オーディオのケーブルに採用されるのにはさらにもう少し先のことになることだろう。
オーディオにとって待ち遠しい技術が登場してくれた。