オリジナルとは(続×十八・チャートウェルのLS3/5A)
マッキントッシュのC22、MC275も、適切に手を加えることで、
マッキントッシュの世界(よさ)を崩すことなく、音をよくしていけることを、
五味先生の文章によって、私は確信している。
これはあくまでも私にとっての、私だけの確信であって、
C22、MC275をお使いの方でも、五味先生の書かれたものに対して否定的な方にとっては、
そんなものは確信とはいわない、となって当然である。
五味先生はマランツのModel 7とModel 8Bも所有されていた。
けれどタンノイのオートグラフを鳴らしていたマッキントッシュのC22とMC275のペアであり、
晩年にはマークレビンソンのJC2とカンノアンプの300Bシングルのペアもある。
オートグラフというスピーカーに惚れ込んだ五味先生にとって、C22とMC275は、
あくまでもオートグラフをもっともよく鳴らしてくれるアンプとしての存在であったのだと思う。
オートグラフへの惚れ込み方と、C22、MC275への愛着は違うような気もする。
五味先生にとって、岩竹氏による銀線への交換がなされたMC275は、
あくまでもオートグラフを五味先生のリスニングルームにおいて鳴らしての、
元のMC275よりも、高域も低域も伸び、冴え冴えと美しかったわけである。
別のひとのところへ、別のスピーカーで鳴らしてみれば、
元のMC275と音は違うけれど、必ずしも良くはなっていない、という結果になることだって考えられる。
でも、私にはそれは、どうでもいい、といってはいいすぎになってしまうが、
それでも五味先生が、五味先生のリスニングルームで五味先生のオートグラフを鳴らして音が良くなっていれば、
それは私にとっても試してみる価値のあることである。
そう考える私は、マッキントッシュのC22のコンデンサーをもし交換するようなことになったら、
Black Beautyに多少の未練を残しながら、ASCのコンデンサーにすると思う。
Black Beautyの信頼性を、私は信用していないからである。