「ルードウィヒ・B」(その8)
手塚治虫の「雨のコンダクター」は、苦労することなく読むことができる。
けれど、ほかの作品となると、
図書館に行きFMレコパルのバックナンバーをひとつひとつ見ていくしかないのではなかろうか。
しかもFMレコパルのバックナンバーを揃えている図書館はそう多くないだろう。
バーンスタインの「戦時のミサ」はCDで聴ける。
これがおさめられている12枚組のボックスは、安いところでは2000円ちょっとで購入できる。
CDの値段が、そこにおさめられている音楽の価値とは直接な関係はないとはいえ、
安いことはありがたいことではあるけれど、ここまで安くしなくても……という気持もある。
廃盤になっていた時期があったとはいえ、いまはこうして聴ける。
やはり、これはデジタル化の恩恵でもあろう。
CDが登場して30年。
30年前のCDの価格は1枚4000円こえるものもあった。
しばらくして3800円、3500円と安くなり、さらに3200円へと推移していった。
再発ものの値段は、この10年は、バーンスタインのハイドン集にかぎらず、あってないような感じも受ける。
書籍のデジタル化が電子書籍なのだから、
いつかは10年後とか、もっと先には、いまのCDのような感じになるのかもしれない。
ただ音楽ディスクのフォーマットは、CDひとつに絞られたけれど、
電子書籍に関しては、そうではないから、
10年後、20年後、CDと同じような推移をするのかどうかは読めないところがあるのも確かだ。
それでも電子書籍が普及すれば、
FMレコパル・ライブ・コミックが全作品読めるようになるのではないかと思う。
1作品ずつの販売、筆者ごとの販売、全作品まとめの販売、
どういう販売方法でもかまわないから、
とにかくFMレコパル・ライブ・コミックがもういちど読める日がはやく来てほしい、と思っている。