Date: 10月 26th, 2012
Cate: オリジナル
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オリジナルとは(続×十一・チャートウェルのLS3/5A)

マランツのModel 7は、私がオーディオに興味をもちはじめた1976年には、
製造中止になって10年以上が経過していたし、すでにコントロールアンプの名器として扱われてもいた。
Model 7を聴いたのは、数年後である。

だからなのかもしれない、
私がいまModel 7を手に入れて、コンデンサーを交換するのであれば、
Black Beautyではなく、TRW(現ASC)のコンデンサーにする。

そんなことをしたら、Black Beautyの音色が変ってしまう。
つまりはオリジナルではなくなる、という意見がある。
それもわからないわけではない。

でもBlack Beautyを使ったからといって、他の部品は製造ロットによって多少変更されている。
そういうModel 7の、どれをオリジナルとするのか。
ごく初期のModel 7を、オリジナルということにしよう。

そのごく初期のModel 7に使われている部品と同じものを集めてきて、
手に入れたModel 7をごく初期のModel 7とまったく同じ仕様にした、としよう。
それは、たしかにごく初期のModel 7と同じModel 7といえるかもしれない。

そういうModel 7に高い価値を見いだす人もいるけれど、
私はそうではない。

私がModel 7が、いまも欲しい、と思うのは、
コントロールアンプのとしての完成度の高さと、
基本性能の高さ(物理特性的ではなく、音楽を再生する上での性能)から、である。

ごく初期のModel 7の音色をそのまま手に入れたいわけではない。
だからBlack Beautyを使う気はさらさらない。

シドニー・スミスの頭の中にあった、
シドニー・スミスが世に出したかったModel 7こそが、私の欲しいModel 7であって、
実際に市場に出たModel 7の音色ではない。

そして、ここでいう、Model 7の音色とは、オーディオ的音色のことである。

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