音を表現するということ(その12)
前回の(その11)の最後に、
自意識なき自己顕示欲は存在するのか、と書いた。
これを書いたことによって、実は先を書きあぐねていた。
自意識なき自己顕示欲、と、1年以上前に、なかば勢いで書いてしまった。
書いてしまって、自意識なき自己顕示欲とは、いったいどういうことなんだろうか、
とそれから考えていた。
自意識とは、辞書には「自分についての意識、自我意識」とある。
わかったようでいてよくわからない説明である。
Wikipediaをみると、自意識の項目は作成中となっていて、
自己認識の項目のところに、自意識についての説明がある。
そこには自意識とは「自意識は責任能力や実直さの様な人間の特性の根拠」とある。
となると、自意識なき自己顕示欲は、
責任能力や実直さの様な人間の特性の根拠なき自己顕示欲、ということになる。
こう書いてみると、自意識なき自己顕示欲は存在する、
少なくとも自意識なき自己顕示欲による音は、たしかに存在する。
そして、自意識なき自己顕示欲による音を、聴いてきた──、
そう思える記憶がたしかにあることに気づく。