Date: 10月 5th, 2012
Cate: 日本の音
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日本のオーディオ、日本の音(続・聴くことの怖さ)

ステレオサウンドの新しい号が出る数日前になると、
ステレオサウンドのウェヴページが更新され、最新号の予告(表紙の写真と掲載記事のタイトル)が公開される。

184号は9月1日に発売された。
その数日前に、ステレオサウンドのウェヴページは更新されていたのだけれど、
表紙の写真のところには、”Now Printing”の文字だけだった。
翌日もそうだった。その翌日もそうだったから、
これは、おそらく9月1日に情報解禁されるオーディオ機器が表紙になっているんだな、という予測は確信になった。

ステレオサウンド 184号の発売当日にもう一度更新され、
表紙が表示されるようになるとともに、”CONTENTS”のところに、
それまで表示されていなかった”JBL Project Everest DD67000/DD65000″も表れた。

いま「オーディオ機器の新製品情報はオーディオ雑誌よりもネットのほうがずっと早いから……」的なことが、
よくいわれるようになっているし、そういう文字を目にすることも、さらに増えてきた。

たしかにオーディオ雑誌に週刊誌はない。
月刊誌か、ステレオサウンドのように季刊誌である。
情報の伝達ということだけに関していえば、1ヵ月、3ヵ月とスパンということになってしまう。
ネットであれば、新製品の発表当日に、その情報は公開される。
今回のステレオサウンドのことは、それに対する手段といえなくもないが、有効といえるだろうか……。

こういったスピードに関しては、雑誌はどうあがいても無理である。
だからといって、オーディオ雑誌は不要、というふうに考えてしまうのは、あまりにも短絡的でしかない。

新製品の登場の情報はネットで得て、気になるオーディオ機器があれば販売店に聴きにいけばいいのだから、
オーディオ雑誌なんて要らない、ということになるだろうか。

新製品に限らず、販売店や、そろそろはじまるオーディオショウなどの催しものにいけば、
オーディオ機器の音は聴ける。
でも、その聴けた音が、十全な音だという保証は、どこにもない。
どういう状態で鳴っているのか判断し難いところでの音だけで、
そのオーディオ機器のすべてを聴いたつもりになってしまう人もいるだろう。

聴くことの怖さがある。
だからオーディオ雑誌は必要である。
それも良心的な、良質なオーディオ雑誌が必要である。

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