SUMOのThe Goldとヤマハのプリメインアンプ(その6)
Wiggins Circlotron Power Amplifierというものがある、ということはを知ったのは、
19歳のとき、AUDIO CYCLOPEDIAを購入したからだ。
まだこのころは真空管アンプの回路にそう詳しかったわけではない。
だから2ページ見開きで、回路図が載っているWiggins Circlotron Power Amplifierには惹かれたものの、
正直、動作に関して理解していたわけではなかった。
もちろんAUDO CYCLOPEDIAには解説文は載っている、英語で。
だから、もっぱら回路図を眺めるしか、理解の手はない。
ほとんどの場合、海図は片チャンネルだけ記載されることが多い。
AUDIO CYCLOPEDIAにも片チャンネル(1チャンネル)分の回路図が載っている。
Wiggins Circlotron Power Amplifierの回路図でまず目を引くのは、
整流管(6X4)が2本使われていること。
真空管アンプで、ステレオ仕様であっても整流管は通常1本のみということが多い。
2本使われていたとしても、左右チャンネル独立というものもあるけれど、
容量を増すための並列使用も、また多い。
Wiggins Circlotron Power Amplifierは、ステレオだと整流管を4本使用することになる。
なぜ、こんな大がかりなことをするのか。
電源ラインをおっていくと、通常のプッシュプルの真空管アンプとは電源のかけ方が異ることは、
AUDIO CYCLOPEDIAの他のページに載っている真空管アンプの回路図と見較べると、すぐにわかる。
Wiggins Circlotron Power Amplifierの回路図が載っている見開きの次のページには、
Wiggins Circlotron Power Amplifierの概略図も載っていた。
なにか違う……、
そのときは、ここまでの理解だった。
そして、しばらくこの回路のことは忘れていた。
Wiggins Circlotron Power Amplifierの存在を思い出したのは、
SUMOのThe Goldを手に入れて、
回路図も入手でき、The Goldの出力段の動作の解析を自分なりに行って、
自分なりに理解できて、ボンジョルノの天才性に感心していたときだった。
The Goldの購入は22歳のときだったから、3年以上の月日が、
Wiggins Circlotron Power Amplifierの理解に必要だったことになる。