Date: 9月 29th, 2012
Cate: 日本の音
Tags:

日本のオーディオ、日本の音(その7)

ダイヤトーンの2S305に組み合わせるパワーアンプとして、
私が第一に試してみたいのは、ソニーのTA-NR10である。

2S305を、どのアンプで鳴らすのか、鳴らしたいのかは、
2S305でどういう音楽(ディスク)をどういうふうに聴きたいかによっても変ってくる。

私が聴きたいのは、ヤマハのピアノで魅かれたグールドのゴールドベルグ変奏曲の新録音のほうを、
日本の音(音色)ということに着目して、確認できるのであれば確認したいことがあるためであるから、
ソニーのTA-NR10で、ぜひとも鳴らしてみたい。

TA-NR10はいまから20年ほど前の、モノーラルのパワーアンプで、
TA-NR1をベースに、出力段をバイポーラトランジスターからMOS-FETに、
そのMOS-FETを取り付けるヒートシンクには、
一般的なアルミ製(TA-NR1もそう)から、重量10kgの純銅ブロックへと変更されている。

TA-NR10(NR1もそうなのだが)の外観は、サイドにウッドパネルを使い、
フロントパネルの両端にはラウンド形状のアルミブロックをコーナーポスト的に配置しているため、
2S305のラウンドバッフルに共通するものもある、
というのは、なかばこじつけの選択の理由でもある。

2S305は、さまざまなアンプで鳴らしてみると、きっと面白いはず。
パワーアンプのキャラクターを、意外にも素直に出してくれる、と想像できる。
ゆえに真空管アンプも楽しいだろうし、
真空管アンプならばOTLアンプでも鳴らしてみたい。
1980年代に復活したフッターマンのOTLアンプは、2S305によく合う、のではないかと、その音を思い出す。

トランジスターアンプでは、アメリカ製のアンプをもってくれば、ずいぶん違う鳴り方をしてくれるだろうし、
グールドのゴールドベルグ変奏曲を、という目的がなければ、
私も個人的な興味からいえば、たとえばマークレビンソンのML2で鳴らしてみたい。

なのにTA-NR10をあえて選ぶのは、
TA-NR10とML2、どちらが優秀なパワーアンプであるといったことではなく、
ただひたすら音色を重視しての選択である。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]