黒田恭一氏のこと(その13)
「スーパー・ギター・トリオ」は、はじめて聴くレコードだった。
でも、このレコードの鳴りかたは、アクースタットが素晴らしいスピーカーであることを、
シャシュのレコードの時とは、別の角度から確認できた。
黒田先生は、こう発言されている。
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このレコードの聴こえ方というのも凄かった。演奏途中であれほど拍手や会場ノイズが絡んでいたとは思いませんでしたからね。拍手は演奏が終って最後に聴こえてくるだけかと思っていたのですが、レコードに針を降ろしたとたんに、会場のざわめく響きがパッと眼の前一杯に広がって、がやがやした感じの中から、ギターの音が弾丸のごとく左右のスピーカー間を飛び交う。このスペクタキュラスなライヴの感じというのは、うちの4343からは聴きとりにくいですね。
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大げさでなく、まさに、私もこう感じていた。
「スーパー・ギター・トリオ」のレコードに針を降ろしたとたんに、
ステレオサウンド試聴室の雰囲気がかわった。
いまでは、そういう音は当たり前のものとして、驚きを持って受けとめられることはないだろうけど、
1982年当時は、違っていた。