Date: 9月 7th, 2012
Cate: ロングラン(ロングライフ)
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ロングランであるために(その14)

修理の際、ネックとなりやすいのは、なにもオーディオ専用部品だけではない。
消耗部品も、そうなりやすい。

たとえばテープデッキの録音ヘッド、再生ヘッドなどがある。
メーカーが同じヘッドを作り続けていてくれているか、部品をストックしてくれていれば、
ヘッドが摩耗しても安心して修理に出せるのだが、実際は難しいところだと思う。

カセットデッキは、残念ながら魅力的な新製品が登場しなくなって、けっこうな年月が経っている。
いまもカセットデッキを大切に使われている方がいるのは知っているし、
カセットテープにあまり愛着のもてない私でも、機会があれば欲しい、と思えるデッキは少ないながらもある。

でも、実際に入手したとしても、ヘッドの状態を考えると、その選択肢はさらに狭まっていくことになる。
もともとついていたヘッドとまったく同じものが無理でも、同等のヘッドて修理してくれるのならば、
まだそれでもいいと私は思うわけだが、それも難しいのかもしれない。

だから中古のオーディオ機器を眺めている時でも、
アンプを眺めている時とカセットデッキを眺めている時とでは、考えていることが少し異ってくる。
カセットデッキだと、どうしてもヘッドのことが気になり、
故障していなくてもメンテナンスのことが真っ先に頭に浮ぶ。
まだ会社が存続している会社であればなんとかなる可能性はあっても、
会社がなくなっているブランド、もしくはすっかり様変りしてしまった会社のデッキだったりすると、
そういうことを含めても、目でみてしまっている。

修理のことをあれこれ考えてしまうと、
オーディオ機器は買いにくくなってしまう。
こんなことを書いている私が、購入時にはほとんど、というか、まったく故障した時のことは考えずにいる。

けれど、オーディオ機器は、どんなモノであれ、故障しない、ということはない。
たまたま故障しなかった、ということはあっても、だからといって絶対に故障しないわけではない。

そして、オーディオの会社にしても、こういう時代だと、
どういう会社が生き残り、消えていくのか、も予測しにくいし、
オーディオ機器を買うのに、そんなことまで考えて、というのも、すこし淋しい。

それでも、安心して使える、ということのメリットは、
音がいいと同じくらいに重要なことである。

だから私が、あえて修理のことを最初に言ってしまうのは、
ガレージメーカーのブランドについて訊かれたときである。
それも海外のガレージメーカーではなく、国内のガレージメーカーについて、のときである。

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