Date: 7月 25th, 2012
Cate: High Fidelity
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ハイ・フィデリティ再考(続×二十八・原音→げんおん→減音)

オーディオの理想が現実となるとき、
いまわれわれが接しているオーディオというシステムとは、まったく異るシステムになっている可能性もある。

スピーカーは、そういう変化の中で、もっとも大きく変化をとげる、というよりも、
発音原理そのものから変ってしまうのかもしれない。

そういえばステレオサウンド 50号には、
長島先生が小説仕立てで「2016年オーディオの旅」という記事を書かれている。
50号が出たのは1979年3月。そのころは2016年はずっとずっと先のことだと思って読んでいた。

まだCDは登場していなかったけれど、各社からデジタルディスクの試作機は登場していて、
50号にも岡先生が記事を書かれている。
「2016年オーディオの旅」でもプログラムソースは、
すでにテープもディスクも存在せずに固体メモリーになっている、という予測をされている。

長島先生のスピーカーの予測は、個人的には面白く興味深いものだった。
空気を磁化する方法が発見され、スピーカーから振動板がなくなっている。
音響変換効率90%で、50mWの入力で100dB以上の音圧が得られる、というもの。

あのころ、夢物語として読んでいた、この記事の2016年まで、あと4年にまで近づいている。
おそらく4年後も、スピーカーから振動板がなくなっていることは、まずない、と予測できる。
スピーカーの能率も低いままだろう。

でも、いつの日か(私が生きているうちなのかどうかはなんともいえないけれど)、
きっと、長島先生が夢見られ予測された日がきっと訪れることだろう。

そこまで到達できれば、「束縛とした味気ない世界」なのかもしれない、オーディオの理想へと、
そうとうに近づくことだろう。
そして、さらに進歩することで、ほんとうに完璧なオーディオが登場することだろう。

この長島先生の記事を読んでいたからこそ、
ステレオサウンド 52号の瀬川先生の特集の巻頭言を読んだ際に、よけいに考えてしまったわけである。

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