Date: 7月 24th, 2012
Cate: ユニバーサルウーファー
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スーパーウーファーについて(続×五・低音再生とは)

20Hzの低音は1秒間に20回の振幅をくりかえす、
20kHzの高音は1秒間に20000回の振幅をくりかえす。

つまり20Hzに対して20kHzは1000倍の振幅回数であり、その1波長に必要な時間は1/20000秒であり、
20Hzの1波長に必要な時間は1/20秒である、ということだ。

つまり波長が長いということは、
その1波長がスピーカーから出てくるまでにそれだけの時間がかかるということでもある。
20Hzの低音の1波長がスピーカーから放射される時間(1/20秒)あれば、
20kHzの音は、じつに1000波長放射できる。

つまり低音は高音に比べて、遅い。
もちろん音速は、どんな周波数においても同じであるのはいうまでもない。
だからこそ、低音は高音よりも遅い、ということになるわけだ。

20Hzと20kHzの比較は、それほどプログラムソースに含まれているわけでもないし、
20kHzの音といえば、楽器の基音ではなく、倍音、それも高次倍音やノイズてあったりする。
20Hzの基音も、実際にはそう多くはないだろう。

だから下は40Hz、上は基音の最高音域として、4kHzぐらいまでとしても、
40Hzは1/40秒、4kHzでは1/4000秒、それぞれ1波長が放射されるまでに必要とする時間である。
20Hzと20kHzの比較の1/10になったとはいえ、
低音が成り立つ時間がどのくらい必要か、ということでいえば、低音が遅いことには変りはない。

ただこれはあくまでもサインウェーヴの話であって、
実際の音楽の信号がスピーカーに加わり振動板が動き空気の振動へと変換されるときは、
実際にどうなのかは、正直、いまところうまく説明できない。

それでもオーケストラにおいて低音楽器の扱いは、
ほんのわずか、このタイムラグをうまく合わせるために早めに演奏するように指示できるのが一流の指揮者であり、
一流のオーケストラである、ということは昔からいわれている。

またマイルス・デイヴィスも、同じことを語っている、とジャズ好きの知人からきいたことがある。

あとピアノがある。
フェルトハンマーがミュージックワイヤーと呼ばれる鋼線(弦)を叩くことで音を発するわけだが、
低音域と高音域とでは弦の長さは異る。低音域は長い。しかも質量を増すために銅線を巻きつけてある。
この長くて重い低音域の弦と、短くて軽い高音域の弦が同時にハンマーで叩かれたとして、
それぞれの弦の振動の振幅が最大になる(つまり最大音量になる)のにかかる時間は、
低音域の弦のほうが、それはわずかであっても長い。

やはり、低音は遅い、といえよう。
そして、低音が音楽のベースになる。

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