Date: 4月 27th, 2012
Cate: 朦朧体
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ボンジョルノのこと、ジャーマン・フィジックスのこと(その60)

なぜなのかは、ステレオサウンドでも井上先生が述べられているはず。
まずフォノイコライザーアンプがなければ、電源部にそれだけ余裕ができる。
それからフォノイコライザーアンプはゲインが高いこともあって発生しているノイズも少なくない。
このノイズが電源部を介したり、飛びつきなどによってラインアンプに影響を及ぼしている。
これらに較べると影響の度合いは小さいものの、おそらく機械的な共振の面でも、
ある面積をもつプリント基板がアンプ筐体内からなくなることの音質面でのメリットもある、と考えられる。

さらに細かいことを書けば、アンプ・モジュールの数が少なくなるということは、
その分だけメインのプリント基板への荷重も減るわけで、
そのことによるメインのプリント基板へのテンションも軽減されるし、
重量分布が変化すれば、メインのプリント基板の振動モードもとうぜん変化する。

こんなふうに、なぜ音が変化するのか、その理由について考えていくといくつも出てくるわけだが、
そういった理屈を全部抜きにしても、音は確実に良くなる。

国産アンプの中には、
フォノイコライザーを使わないときにフォノイコライザーへの電源の供給を停止する機能をもつものもいくつかある。

そして、この音の違いを一度でも聴いてしまうと、
CDを聴くときにはめんどうでもフォノイコライザーを外してしまいたくなる。
そのたびにアンプの天板をネジを外して天板をとり、フォノイコライザーの基板を取り出す……、
こんなことはやりたくないし、無理に勧めもしないけれど、
ThaedraやLNP2、JC2、その他にはQUADの44もそうだし、チェロのAudio Suiteなどをお持ちならば、
一度は、その音の変化を自分の耳で確かめてみてほしい、と、やはり思ってしまう。

一度試してみれば、これらのアンプの姿(性能、音、性格など)をより知ることになるからだ。

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