ボンジョルノのこと、ジャーマン・フィジックスのこと(その59)
Thaedraのリアパネルは、真横から見るとL字型になっていて、底辺の水平部分に入出力端子は取り付けられている。
一般的なアンプのリアパネルは垂直面に端子が取り付けられているからケーブルは水平に差し込むのに対し、
Thaedraは垂直にケーブルを差すようになっている。
どちらが使いやすいかは、コントロールアンプをどう設置するか、
その設置環境によっても変ってくるため一概にはいえないものの、Thaedraのようなスタイルは使いやすい。
ボンジョルノが、このスタイルをとったのは使いやすさということもあってだろうが、
それよりも内部コンストラクションとの兼ね合いで、こうせざるをえなかったほうが強い。
Thaedraの内部は底部に信号ラインや電源ラインとなるメインのプリント基板がある。
この基板に対して、MCカートリッジ用フォノイコライザー、MMカートリッジ用フォノイコライザー、
ラインアンプ、これら3枚のプリント基板が垂直に挿し込まれている。
メインのプリント基板とはコネクターで接続され、3枚のアンプ基板はリアパネルに固定される。
さらにラインアンプはスピーカーを直接鳴らせるだけの出力をもつだけに、
発熱もコントロールアンプとは思えぬほど多い。リアパネルはラインアンプ出力段のヒートシンクも兼ねている。
ゆえにリアパネルに入出力端子を取り付けるのは、やや無理がある。
こういう内部構造になっているため、フォノイコライザーは使わない、とか、
使うけれどもMCカートリッジの昇圧には外付けのトランスやヘッドアンプを使うから、
MCカートリッジ用のフォノイコライザーは不必要だ、とか、その反対にMMカートリッジ用が要らない、とか、
そういうときにフォノイコライザーアンプのプリント基板をメインのプリント基板から抜く。
このときの音の変化は、
個々のアンプをモジュール化してメインのプリント基板に挿すタイプ(マークレビンソンのLNP2やJC2など)は、
電源部に余裕があっても音は確実に変化する。
変化する、というよりも確実に音は良くなる、といえる。